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私たちは、互いのことは何でも知っており何でも理解していた。
やや言い過ぎではあるが、少なくとも当人たちはそのように思っていた。
互いに好きな男の子、、というより舞衣は2年生のときから彼氏がいたのだが。
舞衣の初体験のことも知っている、、
聞かされたときは驚いたが。
3年生に上がる前の春休みに、、らしい。
「ちょっと痛かったけど、、、でも早くしてみたかったから」
舞衣は好奇心が抑え切れない。
そんな舞衣を羨ましく思うこともあった。
その初体験との相手とも別れて、既に今は別の彼氏がいるのだが、、、
それ故にトラブルもあった。
間もなく夏休みを迎えようとしていたある日、
「なぁ白井、、三原のやつ、安達と付き合い始めたってほんと?」
そう私に尋ねてきたのはクラスメイトの田村浩之。
あまり話をしたことがない彼が急に話し掛けてきたことにまず驚いた。
「うん、、そうらしいよ」
少し考えてからそう答えた。
隠していてもいずれわかるし、第一隠す必要がない。
舞衣の性格上、隠したりはしない。
それに、私が知らないと答えても誰も信じないだろうし。
「久志と別れたとこなのに、、、」
そう呟きながら田村は去っていく。
大塚久志。
舞衣が連休明けまで交際していた男の子だ。
田村たちと同じく、素行にやや問題がある。
舞衣は、そういった男の子たちとも仲がよい。
クラスは違うのだが、田村たちを介して自然と仲良くなり、2年の終わり頃から付き合いはじめた。
「由貴、、大塚に告られたんだけど、、どう思う?」
こんな相談を受けたのを覚えている。
舞衣も、中学に入って最初に付き合っていた男の子と別れて、寂しかったようだ。
「3年になるし、受験生、だしね、、舞衣もバスケ忙しいでしょう、、、」
「それって止めとけ、ってこと?」
「私が止めろといって止めないでしょう、あなたは」
結果、交際し初体験の相手になったのが大塚久志だ。
この頃は、舞衣の言動に是非を述べることもなかった。
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