「、、、ケンタは?」
私は洗面を借り、服と髪、化粧を整え戻ってきた。
「、、先に帰ったよ」
さすがにバツが悪いと思ったのだろう、、、
私も同じ思いなので先に帰ってくれてよかった。
しかし、、、ナオトと二人きりというのも気まずかった。
「ごめんね、、ナオト」
沈黙に耐え切れず、私から口を開いた。
「どうして謝ってるの?美貴ちゃんが悪い訳じゃないよ」
どこまで優しいんだろ、、、
また涙が出そうなのを堪え、
「そんなことない、、、ごめん、、嫌な思いさせ
た」
私は堪え切れず泣いた。
「もう終わったんだ、、泣かなくていいよ」
泣いてちゃ余計にナオトに迷惑をかけると思い、必死に強がった。
「あんな姿見せて、、情け無いね、私、、、
何かお詫びしなきゃ」
「お詫び?」
ナオトが聞き返す。
「そ、お詫び、、何でもいいよ」
「いいよ、そんなの」
笑顔でそう言ってくれるナオトに、、本当になんでもしなきゃ、と思った。
「したいなら、、いいよ。ナオトが望むなら構わないから」
言ったあと恥ずかしくなったが、、ナオトも男だし、望まないはずはない。
「それはいいよ。じゃあ代わりにお願いしていい?」
改まってナオトが言う。
「、、、うん。なに?」
「付き合って欲しい」
思わず私は立ち止まった。
「ナオト、、気は確か?笑えない冗談だね、、、」
「冗談じゃないよ」
ナオトの真剣な眼差しを、私は見ることができない。
「あんなとこ見せておいて、、、無理だよ、そんなの」
「何でもいいって言ったの、、美貴ちゃんだよ」
私は、、泣き崩れた。
今日、一番涙が出た。
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