8月に入ったが、あれから約一週間、、、聞けば隔日くらいのペースで、舞衣は連中に呼び出されているらしかった。
「さっきも、、、犯られた」
塾帰りの夕刻、前回の公園に呼び出された。
舞衣は疲れ果て、そして沈んだ様子だ。
「その手、、どうしたの?何の痕、、、?」
「、、、縛られてたから」
縛られる、、、日常生活のなかではまず経験しないこと。
SM、、ってやつかな?
舞衣の縛られてる姿を一瞬でも想像してしまい、彼女に申し訳なく思った。
「舞衣、、聞きづらいんだけど、、避妊はしてもらってるの?」
やはり舞衣はすぐには答えなかった。
「、、、どうして?」
「だって当たり前の心配でしょ、、、もし、、」
私の言葉を遮り、
「聞かないでよっ!」
余程辛い目に遭ってるのだろう、、、
私には現実離れし過ぎて想像も出来ないが。
結局、その日は何も話さず舞衣は帰っていった。
その日の夜、お風呂から上がり部屋に戻ると、舞衣からメールが入っていた。
「さっきはごめん。由貴に八つ当たりして。
避妊は、、ゴムは頼んでもしてくれない。
お金がもったいないというから私が買っていってもしてくれない」
そんな、、、コンドームのことくらいは私にもわかる。
「じゃあ、、妊娠しちゃうじゃない!」
「中には出さないから」
男の人が出す「精子」のことを言ってるのか、、、話がリアルになっていく。
「中に出さないなら、、どこに出すの?」
しばらく返信がなかったが、
「お腹の上に出されたり、顔に出されたり口の中とか」
そんな、、、
私は悪寒が走り吐き気がした。
そんな、私たちが見聞きしたことのない、あるいは見聞きするだけの世界に、今、舞衣は置かれている。
決して望んでるわけではないのだが。
聞くべきでなかった。
舞衣に嫌な思いをさせてしまった自分の不注意に、私は自己嫌悪に陥った。
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