おぞましい・・・そう感じる光景だった。
ゾワゾワとした不安が広がり、恐怖に体が強張った。
けれど動画を消すことはできずに、見続けた。
「ほら・・・・・鍵だよ、鍵・・・・金庫の鍵・・・」
男は部屋を漁り、私のカバンや財布の隠し場所を金庫だと決めつけた。
それからはずっと、鍵の場所を何とか言わせようと ずっと聞き続けていた。
「金庫の鍵・・・無いと困るだろ?」
「ほら、言いな・・・探してあげるから・・・金庫の鍵、どこ?」
「鍵、どこに置いた?」
何人かで私を囲み、口々に質問を投げかける。
そうしながらも他の男は部屋の中を探し続けてる。
「・・・ほら」
(・・・ダメよ・・・)
「言いなよ・・・」
(・・・・・ダメ・・・言わないで)
「・・・・ん?」
画面の中で、私の唇が動くのが見えた。
声は聞こえなかった。
けれど、男の視線が 部屋の隅に・・・・ウィークリーマンションの部屋に備え付けられていた 観葉植物に向けられていった。
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