意識が少し戻ったのが映像でもわかるタイミングがあった。
どうやら、自分が覚えているよりも多く、私はまどろんだ意識で男を相手にしたらしい。
そして男達は、その度に 私から情報を聞き出そうと・・・逃げられないように捕まえてしまおうと し続けたらしい・・・
「おい・・・おい・・・・おい・・・・」
うっすらと目を開けた私の頬を、男はペチペチと叩きながら話しかけていた。
「おい・・・名前は?・・・名前だよ、おい・・・・言え・・・ほら、名前・・・」
その光景を見た瞬間に、腹の底から 言い知れない恐怖が湧き上がってきた。
男達は私を囲み、耳を澄ましながら 私の言葉を待っている。
頬を叩き、けれどハッキリと起こしてしまわないように気を付けながら、質問している。
(あぁ・・・ダメ・・・それはダメ・・・・)
「・・・・ん?・・・なんだ?もう一回・・・ほら、名前だ・・・・ほら・・・・」
(ダメ・・・ダメ・・・・・・ダメ・・・・ダメよ・・・・)
「・・・・・・・・・・・」
(ダメ・・・・言っちゃダメ・・・・言わないで・・・・・ダメ・・・)
「・・・・・・そうか・・・・真希・・・・木下真希・・・・だな」
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