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「おいおい、そんな言い方しないでよ。まるで今日でお別れみたいじゃ、、、」
私の言葉を遮るように麻由は、
「だって、、こんな女店に置いとけないでしょ?」
顔を埋めた麻由は大粒の涙を落とし泣き始める。
そして無理矢理の笑顔で、
「あ、週末には帰ってくるのでお土産、持ってきますね。それと、、」
それと、、なんだい?
「お世話になったお礼に、、何か出来ることありますか?」
健気な言葉に、今すぐ抱きしめたくなる。
「私に出来ることがあれば」
少し考えた末に、
「じゃあ、、二つあるんだけど?」
麻由はまだ涙目のままクスっと笑い、
「こういうとき、ふつうひとつでしょ?
いいですよ、一応二つとも聞かせてください」
笑いながらそう言ってくれた麻由に遠慮なく話す、
「ひとつは、、あんな話聞いた後で言いづらいけど、、おとといの連中が2回目を希望していて、、、」
麻由は複雑な表情を浮かべて、、
「ああ、、そうなんだ、、、その返事、旅行から帰ってからで構いません?」
即断られると思っていたが、、意外すぎる返事だ。
「で、、もうひとつは?」
私は麻由の手を握り、
「辞めないで欲しい」
、、、みるみるうちに麻由の目は涙目で溢れ、
「、、いていいんですか?辞めなくていいの?」
もちろんだ。
抱き寄せた麻由は、声を上げて泣いた。
これまでで一番激しく泣いた。
まるでこれまでの苦しみを全て吐き出すかのように。
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