やがて、茉莉香は中学に進学したが、家での奴隷状態は変わらないどころか、ますます酷くなった。
不思議な事に、あの夜以来、妹の桃香が新しい母親の優湖に対して、素直になってきた。
優湖も、そんな桃香を、可愛いと感じるようになり、父、母、次女の3人の間には、一応の平穏な関係が保たれてきた。
反対に、皆のストレスは、全て茉莉香が受ける形となり、両親からの虐待は激しくなった。
茉莉香が中1にしなってから直ぐ、サディストへの貸し出しが行われた。
相手は、父の会社への融資の決定権を持つ、金融機関の大物だった。
明日貸し出されることを告げられ、一度は死のうかとも思った茉莉香だったが、母の後ろから心配そうに見ている桃香の顔を見て、「自分さえ我慢すれば、妹は可愛がってもらえる..」と考え、迎えの車に乗った。
初めて貸し出された相手は、50代の一見優しそうな男性だったが、ロリコンに加えてハードなSだった。
それは、茉莉香の両親に負けるとも劣らない酷さで、鞭打ちされ出血した尻の肌に、塩を塗り込まれたり、アナルに挿入されてると、レバー操作で先端がアナル内部で開き、自力では絶対に抜くことの出来ないアナル栓を嵌められ、そこから伸びた管を通して、濃いグリセリン液を大量に注入されたりと、茉莉香は数回に渡って気絶した。
苦痛だけでなく、飲尿や入浴前の男のアナル舐めなど、とても思春期の女の子が出来ないことをさせられた。
しかし茉莉香は、家で両親に責められる時と同様に、感情を殺し耐え抜いた。
ほとんど眠かされずに責められ、翌朝相手の男性から、
「本当にお前のようなマゾロリがいるんだな。」
と感心された。
学校での生活も、楽しいものではなかった。
茉莉香の通う中学では、生徒の競争心を煽るためか、テストでの学年上位10人の名前を発表した。
母は茉莉香に、常に学年トップを求めたが、学年には他にもう一人、本当のお嬢様と言えるような、頭脳明晰、容姿端麗、性格穏和で、父親が、茉莉香の父とは業種は違うが、さらに一桁違う大企業の社長と言う、優れた生徒がいた。
茉莉香は、その子とトップを争うことになるのだが、私生活での家事奴隷、性奴隷と言う立場のため、茉莉香には学校でのゆとりはなかった。
他の女の子達が、休み時間に楽しそうにおしゃべりしてるのに加わるよりは、少しでも勉強しなければ..。
わからないところがあれば、遠慮することなく、先生に聞きに行った。
そんな茉莉香の行動から、普通の女の子達に、
「ずるいことをして、成績を稼いでいる。」
と言われるようになった。
もともと食事が不足して痩せてた上に、精神的なストレスから、茉莉香の顔つきは尖ったようになり、学校では「痩せ狐」とあだ名で呼ばれるようになった。
もちろん交際を求めたり、仲良くしてくれる男の子もいない。
嫌がらせも何度も受けたし、変態系の趣向をもつ先生の中にも、茉莉香の発するアブノーマルな性的な雰囲気を嗅ぎとった者もいた。
そんな生活の中、季節は11月も終わりになり、風にも寒さを感じ始めた頃、茉莉香はついに身体を壊した。
前日の夜、母から金銭目的と精神的虐待のために、アナル趣味の変態に貸し出された。
明け方まで責められ、アナルからかなりの出血をしてしまった。
シャワーで洗って、クリームを塗った上に、ナプキンを当てただけで、そのまま学校に行ったのだ。
残酷な事に、体育の授業で長距離走があった。
生理や病気を理由に、見学すると言う方法もあったのだが、また周囲から
「痩せ狐が、また嘘を言って嫌な事をさぼってる。」
と言われるのが嫌だった。
無理をして参加したが、その為か、ついに帰宅中お尻の痛みに動けなくなった。
冷たい小雨が風と共に降る中、公園のベンチで休もうにも、硬いベンチに座ることすら出来ない。
今夜は妹の誕生日で、両親と妹の3人で外食し、そのままホテルに泊まるから、茉莉香が急いで帰る必要が無いことだけが救いだった。
アナルから、かなり出血してるのが分かった。
とにかく、家に帰らなくちゃ..。
しかし、茉莉香は全くお金を持たされていない。
タクシーを使うことも出来ないのだ。
途方に暮れていた時、茉莉香に声を掛けてくれた若者がいた。
「君、もしかして痔が悪いんじゃないかい?」
普通、全く知らない思春期の女の子に、こんな聞き方をするだけで、この男はおかしい!変態!と決めつけられるのに、この若者は何ら気にしてないようだった。
年齢は20代後半か?
スーツ着てるけど、良く似合ってる。
顔は...、表情は真面目に言ってるのか、私をからかおうとしてるのか、分からない..。
茉莉香は
「ご心配してくれて、ありがとうございます。
でも、大丈夫ですから..。」
と断って、ベンチから立とうとしたが、またアナルに激痛が走って動けなくなった。
「僕が痔を悪くした時と同じ感じだ。
それじゃ歩けないだろう。
家に連絡してあげるよ。」
親切心から言ってくれてるようだが、今の茉莉香には、ありがた迷惑だ。
「けっこうです。
今日は親が留守なんです。
一人で帰ります。」
そう言って茉莉香は、痛みをこらえて歩き出そうとしたが、出血と前からの栄養不良、前日の睡眠不足などの為か、貧血のようにめまいがして、その男性に倒れ込んだ。
「失礼!」
男性が、茉莉香の制服のスカートの裾を、わずかに捲った。
真っ白、と言うより青白い太股の内側に、鮮血が流れている。
「病院に行く!」
男性はそのまま茉莉香を抱き上げた。
「嫌です!
私、保険証もお金も、持ってない!」
抗議する茉莉香に構わず、男性は茉莉香を、近くに路上駐車していた車の後部座席に運び込んだ。
ほとんど車に乗らない茉莉香にも、高級車らしいことは分かる。
「シート、汚しちゃいます!
下ろして!」
男性は、後部ドアを閉めると、運転席に乗り込み、車を発進させた。
「僕が登山で痔を悪くした時に、世話になった先生の所に行く。
お金は心配しないで。
そんな大金持ちじゃないけど、自己負担で払うくらいのカードは持ってる。」
もう、やめてって言っても、無駄かな..。
そう思いながら、茉莉香は車の後部座席で意識が薄くなった。
1時間後、男性は病院で医師と話していた。
「切れた肛門は、取り敢えず消毒止血した。
あとは、抗生物質と解熱鎮痛剤で、今回は治まると思う。」
「先生、無理を言ってすみません。
ありがとうございました。」
「葛城さん、あの女の子、本当に今日、偶然会っただけかね?」
「何か問題でも?」
「虐待が、疑われるね。」
60歳くらいの医師は、この男性、葛城真が学生の時に、重度の痔を患ってから知り合い、医師としてだけでなく、人生の先輩として色々相談に乗ってくれている。
「肛門は、君のように、自分で力んで悪くなったのではない。
何かを外から無理やり挿入されて、裂けた傷だね。」
「あの子、何か言ってましたか?」
「自分で、いたずらしました。
太い物を入れて遊びました。
そう言ったけど、13歳の女の子が、医者から聞かれて、素直に最初からそんな答えをするかな。」
「つまり、アナルを誰かに犯された、って可能性が強いわけですね。」
「あと、そっちの方は専門外だから深くは見なかったけど、外性器もかなり変形している。
臀部や大腿部等、今日見えた部分に、殴打された痕もある。
医師としては、その筋に届けなくてはいけないケースなんだが..。」
真はちょっと考えて言った。
「先生、届け出るのは、もう少し待ってくれせんか。
僕なりに、あの子のことを調べたいんです。
ところで、僕の本日の診療代ですが...」
「君はまた、他人の診療費を自分で全額負担かね。
それも、自分が診療を受けたことにして!」
「すみません。
でも、先生。感謝してますよ。」
この葛城真は、実際良いところの坊っちゃんではあった。
だからこそ、医師が無理を聞いたのだった。
看護師から入って良いと告げられ、真は茉莉香のいる処置室に入った。
茉莉香は上向きに寝かされていた。
「どう?痛み、少しは良い?」
茉莉香は真っ直ぐ天井を見て言った。
「ありがとうございます。
先生から聞きました。
今日は甘えさせていただきます。」
小柄な痩せた子なのに、言葉使いは場慣れしたOLか秘書だな。
「先生には話しましたが..」
茉莉香が自分の事を話しかけると、真は遮った。
「医者には守秘義務ってのがあって、患者のことは、家族以外に言っちゃいけないんだ。
僕も、今聞かない方が良いと思う。」
寝ていた茉莉香の目尻から、涙が一筋流れた。
ああ、こんなシーンは苦手!と思った真は、処置室から出ていった。
二人で病院を出て、真は茉莉香を車に乗せた公園まで送った。
家まで送ったら、君が恐がるだろうから。
そう言うと、茉莉香の手に「タクシー代」と言っていくらかの現金を握らせた。
茉莉香が何かお礼を言わなくちゃ、と焦ってるのが、何故か可愛く思えた。
「お礼は良いから。
可愛い痩せた狐ちゃんを助けたんだから、神様がちゃんと見てくれてるはず。」
そう言って、真は車を発進させた。
茉莉香は、家まで歩いて帰ると、誰もいないのを確認してから、自分の布団に顔を押し付けて泣いた。
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