茉莉香は、自分の首に強い衝撃が掛かる瞬間を待っていた。
衝撃はあった!
でも..、弱い?
茉莉香の身体は、そのままほぼ垂直に楽観的すると、穴の底に積まれていたスポンジのクッションの中に、埋もれてしまった。
首に掛かっていた縄は、とっくに切れてしまっている。
さすがに茉莉香は、一瞬どういう事なのか理解しかねたが、自分の運命はとことん残酷な筈、との考えから、即座に
「絞首刑、失敗したんだわ。
また、やり直しになるんだわ。」
と考えた。
賢過ぎる茉莉香は更に、
「ご主人様が、私に何度も死の恐ろしさを味わわせようとしてるのかもしれない。」
とまで、考えてしまった。
牧田が、スポンジの中に埋もれた茉莉香を、見に下りてきた。
「縄が切れたか!」
「はい、申し訳ありません。」
自分が死ななくて謝るなんて、この小娘が完全におかしい事は、間違いなかろう。
牧田は、茉莉香をスポンジの中から引き出すと、こう告げた。
「俺は、お前の命、身体、心と全てを好きなように弄べたと思っている。
心を弄るのは、なかなか泣かなかったから難しかったが、最後に泣くのを見れたしな。」
だから、もう要済みの私を、やはり始末するんだわ。
ところが茉莉香の考えていた始末と、牧田が実際のやった始末とは、内容が違っていた。
「お前は、もっと泣きわめけ!
お前達を、もっと泣きわめかせる事の出来る人に売り渡す!」
えっ?
茉莉香は、もう命を取られようが売られようが、自分の事はどうでも良かった。
しかし今、牧田はお前達と言った。
妹とお母様も?
引き渡しは、それから10分せずに行われた。
優湖は桃香と共に、厳つい肉体の男性2名と冷たい表情の女性1名のチームから、家まで送り届けられ、夫
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