真の祖父は、しばらく様子を見るようにと、孫に言うつもりだったが、裏の仕事をする運送業者が動いたとなると、もう時間的ゆとりは無いと見て良い。
祖父は孫に
「最悪でも、住居侵入くらいにしとけよ。」
と言ったが、孫から、
「愛する女の子を奪い取るには、おじいちゃんの時代から腕力でしょ。」
と返されて、苦笑するしかなかった。
茉莉香を閉じ込めたゲージを積んだトラックは、早朝から走り続け、夕方になって、やっと買い主の家の壁の中に入った。
茉莉香を買ったのは、あまり良くない方法で不動産の売買を行い成り上がった、牧田と言う成金だった。
当初、茉莉香と養子縁組をして、養女として自分好みのお人形に育てよう、とも夢見たが、向こうから送られてきた茉莉香のプロフィールや身体の画像を見ると、着衣姿は痩せた清楚な少女なのだが、裸体にすると、もう散々多くのサディストからハードな責めを受け、ぼろぼろになっているのが分かった。
それで、売り手の優湖から、
「もし死んじゃっても、こちらの方で、実母と死に別れて不安定でしたから、家出して行方不明になった、と届けますから大丈夫かと思います」
との進言もあり、
「人間扱いせず、家畜かペットのような扱いをして、普通のサディストが出来ないような責めをしよう。」
と決めたのだった。
それで、茉莉香を買うことに決めてから、急いで庭に、プレハブで家畜小屋を建てた。
土をやや盛った上にコンクリートを流し、床は張らずにむき出しのコンクリートがそのまま床になっている。
後ろと左右はプレハブの壁だが、窓は無い。
前だけは金網と鉄格子で、外から中が丸見えで、出入りの為のドアが着いていた。
広さはせいぜい畳2畳半くらい。
学校などにあるウサギ小屋の方が、まだましだった。
中に筵を入れてやっただけで、牧田は家畜に対して思いやりを見せたつもりだった。
いよいよ奴隷少女を積んだトラックが、敷地の中に入った。
わくわくしながら業者がカバーを外すのを見ていた牧田は、ゲージの中を見て
「おやっ?」
と首を傾げた。
ゲージの中には、二匹いる。
二人とも全裸で、完全に気を失っていた。
一人は13歳くらいで、背中で両手に手錠を掛けられ、口も声を出せないように厳重に封じられている。
もう一人はまだ小学校高学年くらい。
こちらは手錠や猿ぐつわ等はされていなかったが、狭いゲージの中と言う密閉に近い環境で、長時間車で揺られて来たので、ゲージの中で何度も嘔吐した跡があり、その苦痛の疲労で気を失ったらしい。
何故、二人?
と運んで来た業者に聞いても、
「荷物は何か聞かないのがルールだし、中を見るな、と指示されているから分かりません。」
と答えると、取り合わずに帰っていった。
優湖は、慌てていた。
桃香ちゃんが、いない!
家中探したし、心当たりも全て探した。
もう売ってしまった茉莉香のことを、気にしてる場合ではなかった。
そんな中、茉莉香を買った牧田から電話があった。
「何故二人なんだ?
もう一人はサービスか?
もう一人も可愛いから、引き受けても良いが、金は一切払わんぞ。」
その子は桃香ちゃんだ!
姉が売られるのを知って、自分も..、と思って、夜の内に自分でシートの中にもぐり込み、ゲージを開けて中に入ったんだ。
朝、トラックが出発点する時、中からうめき声みたいなのが聞こえたが、わざと無視した。
あれは、茉莉香が
「ここに桃香がいる!」
と、塞がれた口で必死に私達に知らせようとしてた音ではなかったか?
優湖は、とりあえず牧田に、
「歳上の方はお買い上げの奴隷です。
お好きに、拷問するなり責め殺すなりしてください。
年下の子は、複雑な事情があるので、直ぐに引き取りに行きます。
それまで、年下の方には、絶対に手を出さないでください。」
と電話で返答したが、牧田が本当に分かってくれたのかどうか疑問だった。
優湖は、夫にもこの不始末を話せず、一人で車で牧田の家に向かった。
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