茉莉香は、その日から再び人間の少女になった。
いつも、おどおどして、周囲の人の目を気にして、顔に感情を表さなかったのが、学校では、楽しかったら笑い、意外な事には驚き、理不尽にされれば不機嫌になり、場合によっては相手を言い負かせた。
当然、茉莉香を今まで痩せ狐と呼んでいた生徒は、集団でいじめに走ろうとした。
しかし、これまで両親を初めとする変態から、数々の虐待を受けてきた茉莉香は、女子中学生程度のいじめ等、問題にもしなかった。
学年末試験でトップを取り、全国規模のコンクールで最優秀を受賞し、その顔にも自信が充ちてくると、元々は亡き実母に似た整った理知的な顔立ちが、美しく見えるようになった。
「どこかで、王子様が見てくれてる。
もう会えないかもしれないけど、きっと見てくれてる。」
それが、茉莉香の心の支えだった。
茉莉香が美しくなってきたのは、当選継母の優湖も気がついた。
何がきっかけかは分からないが、茉莉香は自分に自信を持ってきている。
これでは、奴隷のままで済まなくなるかもしれない。
優湖は、さらに過酷、いや残酷な責めと言うより、拷問を茉莉香に加えるようになった。
学校の同級生達が、
「茉莉香って、最近すごいね。」
「もとから頭良いし、最近はきれいになってるよね。」
「お父さん、会社の社長でしょ。
この前、学校に高級車で来て、格好いい運転手からドアを開けてもらってたのよ。」
等、茉莉香の噂をしてる頃、当の茉莉香は、霙混じりの冷たい雨の中、自宅の裏庭の木に全裸で縛り付けられていた。
夕食の支度が終わると直ぐ、特に罰を受ける理由もないのに、茉莉香は祇園零度前後の野外で縛られた。
夜の9時過ぎ。
裏口が開いて、継母の優湖が出てきた。
「貴女、最近、調子に乗っているみたいね。」
そう言われて、茉莉香は殊勝に
「いえ、そんなことは..」
と言い掛けたが、途端に、
「うるさい!」
と言う怒鳴り声と共に、バケツに汲まれた冷たい水が全身に浴びせられた。
「日が替わるまで、そこにいなさい。
死んじゃったら、悩みがあって家出した、ってことで、重機で穴を掘って埋めてあげる。
生きてたら、売り飛ばすことにするからね。」
売られる、と言うことは、これまでの1日2日程度の貸し出しとは違うのだろうか。
「あの、どこに売られるのでしょうか..?」
茉莉香が聞こうとすると、優湖はその場で自分の穿いていたパンティーを脱ぎ、股間から経血をじっとり吸いとったタンポンを抜き取ると、それを茉莉香の口に押し込み、その上から脱いだパンティーを咥えさせた。
「国内ってことは、無いと思うわよ。
東南アジア、中東、南米、いや、アメリカにもロリコンで拷問が好きな変態はいるわよね。」
そう言うと、優湖は、全身を震わせる茉莉香を残して、自分は暖かい家の中に戻って行った。
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