次の日に同じダイニングで向かい
合った香織は昨日の非礼を詫びた
後、俺に銀行の封筒を差し出した。
「これは、昨日のこととは関係ないんだけど時生の前回のテストの
成績が良かったでしょう?
だから謝礼、特別ボーナスよ」
白のブラウスにデニムという装いの叔母は昨日と打って変わって温和な笑みを浮かべている。
(二十万はあるな……なるほど)
俺は中を確かめながらそういうことかと香織の真意を汲み取った。
「昨日のことは事実じゃないにしても、翔太君に主人や時生に話されたら混乱を招くことにになるわ。
わたしはあらぬ誤解を受けることになるのよ。
わたしは主人と仲が良いし尊敬してる、それに時生を愛してる。
家族を愛してるの。
だから分かるよね?」
叔母は自分のペースになったと
勘違いして一気に喋った。
「僕も秀人さん好きです。
優しいし可愛がってくれたし。
もちろん、時生も………でも」
俺は叔母の顔をじっと見つめ
キッパリと言った。
「これは要りません!」
叔母の表情が俺の意外な言葉に
笑顔から不安と怯えをはらんだ
ものに瞬時に変わった。
「なんなの?……これじゃあ足らないの?」
香織は動揺を隠さず尋ねた。
「俺の欲しいモノはお金じゃ
ないんです」
俺は身を乗り出し、じっと香織の
顔を見つめた。
若い大学生の瞳は好色を帯び、
口元には酷薄な笑みが浮かんで
いる。
香織はハッと雷に射たれように
我に返った。
(あなた……まさか?……そんな……)
「はい、その通りです 。
僕の欲しいのは香織さんなんです。抱きたいんです!」
俺は本性を剥き出しにした。
「何を言ってるの!あなたは
わたしの甥じゃない……わたしの
お姉ちゃんの子供なのよ!」
狼狽えながらも必死で説得に走る
叔母の言葉を俺は遮った。
「じゃあ、いいです。秀人さんと
時生には話します。どう二人が判断するかは知らないけど……」
俺は立ち上がりながら最終通告を
突きつけた。
「待って!」叔母の悲痛な声がダイニングに響く。
叔母は懇願するような目を俺に
しばらく向けていたが、突然両手で顔を覆った。
「……わかった、もう……わかったから……お願いだから一度だけ
にして……」
叔母はとうとう折れた。
(もう、こっちのモノだ……)
俺はこの目の前の美しい
叔母を蹂躙し屈服させる欲望に
胸を高ならせる。
「リビングのソファーでしましょうか?」
翔太は顔を覆う香織の腕の下に手を差し込み強引に立たせると、引きたてるようにリビングに連れ込んだ。
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