月曜の午後、俺はサークル棟の5階に身を隠した。
誰も使わない階段の影に隠れて、廊下に並ぶ扉を監視する。
俺が大学に入った年に新設されたらしい5階建てのサークル棟、活動が少ない事がバレている俺達には、最上階の隅のほうの小部屋しか割り当てられなかったと、卒業した先輩がボヤいていた。
4階にもまだ空きがあるのにと、悔しそうに言ったのを覚えている。
そしてその頃にはもう、この微妙に使い勝手の悪い部室ではなく、あの学生センターに誰からともなく 何となく集まる習慣が出来上がりつつあった。
俺の視線の先・・・エレベーターから手前に3つ目・・・そこが所属するサークルに割り当てられた部室だった。
2時半を過ぎ、いつもなら講義を受けている時間になった。
俺は代弁を頼む事すら思いつかず、ただじっと廊下を見ていた。
55分間らは1秒1秒が長く感じた。
何度も携帯の画面で時間を確認した。
けれど、携帯の画面に15:00と表示されても、誰も来なかった。
エレベーターは下の階ばかりを行き来していて、使いにくい5階になど一度も止まらなかった。
おかしい・・・
そんなはずはない・・・
だって、あの夜、あんなにも・・・
そんな疑問が頭の中をグルグルと回り、時間だけが5分、10分と過ぎていった。
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