麻衣子がバイトに行き、俺は取り残された。
飲み会はもうずっと、毎月のように開かれてきた。
(・・・・今回が初めてのはずがない)
佐藤にしても、数えきれないくらい・・・それが普通になるほど招いている。
(・・・もしかして、今まで毎回・・・)
いろんな事が頭をよぎり、いろんな言葉が浮かんできた。
麻衣子の部屋に一人・・・。
合鍵を交換しあってから、何度も同じ事を経験したはず・・・けれどなぜか、今日はそれまでのどれよりも、不自然な静けさに包まれている気がしていた。
この目で見た。
それは絶対だと思った。
あれは夢であるはずがない。
あれは・・・あの行為は・・・
愛しい彼女である麻衣子と、佐藤は・・・
確かめたくなかったが、確かめたかった。
全てが捨てられて、隠されているかもしれないが 探した。
そしてキッチンの横にあるゴミ箱の中に、上から紙屑や雑誌のようなゴミを被された、何重にも縛られたビニール袋の中に、大量のティッシュを見つけた。
まだ乾いていないティッシュの匂いに、自分が見た光景を証明された気がした。
そして、そのゴミ箱の中をどれだけ探してもコンドームが無かったことに、自分が気づいていなかった さらに最悪な事実を突きつけられた気がして絶望感を深めた。
いつまでそうしていたか分からないが、壁の時計が2時を指す頃、俺はようやく玄関に向かった。
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