『記念日の事を怒っている』とゆうフリは、都合が良かった。
彼氏に真実を気づかれない理由は、麻衣子をエスカレートさせた。
送られてきた【コンドームは使わない】とゆう文字を読んだ直後にさえ、少しビクッと反応してしまった体を「どうしたの?」と聞く彼氏に、無言で目を見返しただけで「ごめん」と言った。
そして【コンドームは使わないで】と送信し、それを読む直樹の視線に興奮した。
目の前で頭を下げている彼氏を見ながら、心が、体の芯から何かがゾクゾクと這い上がっていくのを感じていた。
彼氏の目の前で「直樹のチンポを入れて」と送信した麻衣子が感じたものは、おそらくサディスティックな色をしていたと、麻衣子自身も感じていた。
謝る彼氏を怒りながら、直樹に「早く入れて欲しい」と送信しながら、記念日について怒るフリを続けた。
「あと3日」と送られた文字に「早く入れて欲しい」と返信しながら、目の前の彼氏を「記念日なのにサイテー」と罵った。
「記念日、あと3日なのよ?」
「ごめんっ」
【あと3日で処女じゃなくなるね】
【うん、直樹が私に入れてね】
そんな言葉を交わしながら、直樹と文字で話し続けた。
「せっかく金曜日なのに!」
「だからゴメンって」
【コンドーム、使わないからね】
【いいよ、そのまま入れてね】
頭を下げる彼氏は気付かないが、麻衣子の視線は携帯に向いている。
そして麻衣子の携帯には横に座る直樹の文字が届き、麻衣子の指はその文字に返信を打ち続けている。
「アルバイト、ホントに断れないの?」
「や、言ったんだけど」
【中に出そうかな】
【うん中に出して】
「なに?」
「や、ムリって言われて」
【じゃ、中出しだね】
【うん、麻衣子に中出しして】
「ムリなの?」
「うん、そう言われた」
【俺の生チンポで処女喪失だね】
【うん、直樹のチンポで生で壊して】
そんな数日間のやりとりが、それまでの時間の何倍もの効率で、彼氏に対して麻衣子をサディスティックに、直樹に対して麻衣子をマゾスティックに育てていった。
それは彼氏を虐める興奮であり、直樹から虐められる興奮だった。
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