それは、私が感じた初めての、直樹の「怒り」だったかもしれない。
私は、あの強い目で射抜かれた瞬間から、直樹に従順になった。
普通にしていても、無言で睨まれただけで何でもしてしまうようになった。
そして直樹の要求はエスカレートしていった。
写真や動画を何枚も撮られた。
いろんなポーズをとり、いろんな顔を向けた。
そしてその場所は直樹の部屋だけではなくなり、まだ誰も来ていない早朝のクラスで撮影する時もあった。
「いいね、ほら、こっち向きな」
直樹は私を彼氏の机の上に上がらせ、足を開いて座らせた。
左手でスカートを捲り、右手でピースをしながらシャッター音を聞いた。
その日は彼氏の机に垂れた愛液を、拭かしてもらえなかった。
思いついたように下着を脱いでくるよう言われた。
それは授業中のラインでも送られてきた。
私はトイレで下着を脱ぐたびに報告の写真を送りった。
昼休みには彼と直樹が囲む私の机で、彼氏に見えないように携帯の画面に表示された自分の姿を見せられたりもした。
私の体に、直樹の指と舌が触れていない場所が無くなった。
そして直樹の体にも、私の舌が触れていない場所が無くなっていった。
いろんな場所で、いろんな姿を撮影された。
そこまで行ってると逆に不思議かもしれないが、私達はまだ一線を超えてはいなかった。
私は初めての相手を確信していた。
そしてそれはもちろん、彼氏ではなかった。
夜寝る前に、どんな場所でかを想像した。
どんな風にされるか、想像した。
「初体験て、やっぱ痛いかな?」
そう聞いた時は、直樹がいつものように「じゃぁ、試そう」と言うと思っていた。
けれど直樹はその日も、ニヤニヤと笑っただけだった。
まさか、こんなになった私を、さらに淫乱にしようと思ってるなんて想像もしなかった。
「セックス」と「快楽」を直結して、今よりも淫乱にしようと思ってるなんて気づいていなかった。
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