中島直樹に遊びまわっている噂がある事は知っていた。
軽薄で、ナンパで、色んな女に手を出していると、周りの女子が話しているのを聞いていた。
脅迫して酷いことをしている、、、とゆうものまであった。
もちろん森下麻衣子にとっても直樹は軽蔑の対象だったが、同時に愛している彼氏の友人でもあった。
彼氏に連れられて何度も会ううちに、話す事に抵抗が無くなっていった。
直樹はやはり軽薄だった。
けれど話を聞くのがとても上手だった。
抵抗が薄れ、警戒がなくなるにつれ、麻衣子は色んな事を話すようになっていった。
いつか間にか、彼氏への愚痴を相談できる唯一の相手になっていた。
彼氏についての相談をしているなど言えるはずもなく、直樹との関係は自然と彼氏には秘密にした。
そして話す内容が増えると、話す時間が長くなった。
いつしか彼氏がアルバイトの日には必ず駅前で待ち合わせるように、そして彼氏との夜の電話の直後に直樹に電話をかけるようになった。
優しく聞き続ける直樹との会話は、回数を重ねるごとに深くなっていった。
相手が下品な噂の絶えない男だとゆう事も忘れ、コンプレックスである大きな胸やお尻についても話した。
直樹は「そんな事ないよ、魅力的だよ」と褒めながら、「変な形だったらわからないけど」と不安を煽る事を忘れなかった。
「大丈夫だよ、少なくとも俺は良いと思うよ」とおだてながら、「見てみないと分からない」とも言った。
麻衣子は褒められる嬉しさと、形や色など確かめる術のない不安を植え付けられた。
魅力を感じてもらう喜びが増していくたびに、彼氏が見て もしも変だったら、、、とゆう不安が強くなっていった。
何日も、何晩も、何時間も掛けて育てられた不安が最高潮に達した瞬間を見逃さずに直樹は言った。
「・・・じゃぁさ、確かめてみようか」
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