祥子が入院した2日後
各メディアから´RIN体調不良で入院´と報道された。
祥子もテレビを見ていた。
「急に人気になって無理したんだろう」
「どこに入院してるんだろう」
「体調不良ならすぐに戻ってくるんじゃない」
病院でも話題になっている。
祥子は乳首とクリの吸引と電気
体脂肪の燃焼トレーニング
先生、入院患者との輪姦
病院内の全裸散歩
などの治療をされていた。
女性看護師も楽しむようになってきた。
1週間が過ぎた。
「すみません。RINちゃん何号室ですか?」
「リンちゃん?」
「バカッ。祥子ちゃんだよ」
「あっ。祥子ちゃんです」
「祥子ちゃんは712号室です」
「712号室ですね。ありがとう」
「すみません。記帳をお願いします」
「はい」
7名の男達が名前を記帳していく。
内田から聞いて見舞いに来たアイドルグループ
『えっ。ちょっと待って』
「すみません。あの7名アイドルグループですよね」
「はい」
「キャー。私、ファンです」
「ありがとう」
女性看護師が集まってキャッキャキャッキャしている。
「私、案内します」
「ありがとう」
「えっ。祥子ちゃんとはどんなお知り合い何ですか?」
「友達かな」
「えっ、友達?祥子ちゃんと?」
「ああ」
「こちらです」
トントントン
「祥子ちゃん、お見舞いよ」
「どうぞ」
「RINちゃん大丈夫?」
「祥子..だよ」
「ごめん」
「みんな、どうしたの?」
「お見舞いだよ」
「ありがとう。どこか座って」
「凄いね。この部屋」
「うん」
「元気そうで良かった。看護師さん、ヨロシクね」
「は..はい」
「ちょっと、俺らだけにしてくれない?」
「失礼しました」
看護師は部屋を出てナースセンターに戻った。
「ねえねえ、話しちゃた」
「いいな」
「で。祥子ちゃんとどんな仲なの」
「友達って」
「いいな。紹介して貰おうよ」
アイドル達の話題で騒いでいた。
「あんた達、仕事しなさいよ」
「じゃあ帰るよ」
「うん。ありがとう。RINって言わないでよ」
「わかってるよ。ごめんな」
アイドル達は部屋を出ると、ナースセンターに挨拶した。
「お騒がせしました」
「また来てください。待ってます」
「あなたが待ってどうすんのよ」
華やかな笑い声がナースセンターを包んだ。
それからアーティスト達が見舞いに来るようになった。
祥子は父が事務所の社長だからと説明し、内田も看護師達にお騒がせしてと謝罪した。
そんなある日、歌姫が見舞いに来た。
病院中がパニックになる騒ぎだ。
「ねえ。一緒にツアーするの忘れてないよね」
「はい」
「早く治しなさいよ」
「はい」
「普段から歌ってる時みたいに元気になってよ」
「はい」
「ほんと、おとなしいんだから」
「はい」
「はいしか言ってないじゃん」
「はい」
2人は笑った。
「なんだ笑えるじゃん」
「うん。可笑しくて」
「ねえ。歌える?」
「えっ」
歌姫が歌いだした。部屋の外にも聞こえている。
「ねえ。歌姫が歌ってる」
看護師達も部屋の前で聞いていた。
『綺麗な声だな』
「ほらっ」
「...」
「歌ってごらん」
祥子は歌ってしまった。
歌姫とハモった。
「歌えるじゃん。そう、この感覚」
祥子も歌いきった。
「元気出るでしょ」
「はい」
「絶対ツアーまでに治すんだよ」
「はい」
「時間無いから、帰るね」
「ありがとう」
「うん」
歌姫が部屋を出ると看護師、患者がいた。
歌姫は無言で立ち去った。
「祥子ちゃんがRIN?」
「まさか」
「でも、ハモってたよね」
「ええー」
トントントン
「失礼します」
「どうぞ」
「さっきの歌姫ですよね」
「はい」
「歌が聞こえてきて...」
「あっ。うるさかったですか。すみません」
「いえ...その...RINなの?」
「えっ?」
「ハモってたように聞こえて」
「私、歌えないよ」
「RINじゃないの?」
「違いますよ。やだな」
「でも、RINも入院中で...」
「そうらしいけど」
「アーティストしか見舞いに来ないように...」
「友達いないから、みんな父の知人だし友達じゃないよ」
「あっ。ごめんなさい。もしかしたらRINかなと思って」
「いえ。大丈夫です。慣れてますから」
「ごめんなさい」
看護師達は部屋を出ていった。
「絶対RINだよね」
「私もそう思う」
『バレてる。どうしよう』
同級生達も心配で見舞いに来ると、看護師達は祥子の学校生活を聞いた。
「祥子は、無口でおとなしいよ」
「そうなの?」
「うん。でも人気あるな。誰にでも優しいから」
「へー。可愛いしね」
「うん。可愛いよね」
「祥子ちゃんとカラオケとかは?」
「行かないなー。習い事があるらしくてすぐに帰ってしまうの」
「どんな?」
「教えてくれないけど」
「音楽で歌ったりするでしょ」
「はい」
「祥子ちゃん、上手かしら」
「祥子、声小さくて。上手じゃないよ」
「えっ。そうなの?」
「たぶん、恥ずかしいのかも」
「そう。ありがとう」
「いえ。じゃあ帰ります」
「違うんじゃない?」
「違うね。歌えないらしいし」
「あのハモった感じも歌姫の声なんじゃない?」
「歌姫、凄いね。また来ないかな」
祥子がRINだと思っていたのが消えた。
が、クラスではRIN説が浮上してきた。
啓子が看護師達に聞かれた内容から噂は広まった。
※元投稿はこちら >>