メイクを落としロングスカートにセーターを羽織ると、ステージ広場に戻ってきた。
3人ユニットのアイドル達が可愛い制服姿で歌っている。
「客減ってない?」
内田が東海林に聞いた。
「そのようですね」
「物販に戻ってくるかな」
「大丈夫かと。まだ2部も残ってますし」
「東海林さん、RINにあの子達との違い等説明してくれるかな」
「祥子ちゃんに説明しますよ」
「ああ祥子に。私達は事務所関係者達に挨拶してくるよ」
前田と林を連れて消えた。
その頃小橋は、適当な写真を選び、RINの自撮りと一緒にSNSを更新させた。
『1部終了しました。聴いてくださった皆様ありがとうございます。16:00からの物販も会いにきてね』
更新すると動画を確認した。
『イヤイヤ歓声凄いな』
15:30にロケバスに戻ってくると、祥子は坪井に花魁ドレスを着させてもらいメイクされ始めた。
その間、小橋はみんなに動画の感想を述べていた。
祥子はRINになると内田と一緒にステージ広場に向かった。
東海林は1stシングル『挿れて』を50枚用意した。
広場に行くとRINの周りにファンが集まってきた。
最後のアイドルへのMCのトークになった。
ステージ上から他のアイドルも上がるように呼ばれると、4組のアイドルが全員ステージに上がった。
椅子席は全て回収されロープが張られると長テーブルと椅子をセットされる。
内田は関係者に案内されると東海林がCDを並べ、前田と林が案内等をセットしていった。
ステージ上に並んだアイドル達は大川のカメラで集合写真を撮影されると、ステージから物販席に移動した。
「柳田さん、物販の時間は何時まで?」
「はい。17時までとなります。その後2部が18時スタートです」
「2部の後も物販あるの?」
「ありますよ」
「じゃあ、慌てなくて済むね」
「では物販スタートです。推しのアイドルへ遊びに行ってね」
ロープが解放されると、それぞれのアイドル達に列ができた。
RINは椅子に座っている。
他のアイドル達の列の数倍長い。
「こんにちは」
「こんにちは。あの、CDとツーショットお願いします」
「ワアッ。ありがとうございます。サインしますか?」
「お願いします」
東海林がCDの袋から取り出すとRINはサインした。
前田が料金を徴収していく。
「林さんツーショットお願いいたします」
林が客に聞いた。
「スマホとかありますか?」
「はい。スマホで撮ってくれるの?」
「はい。お預かりします」
座っているRINの横に立たせ撮影した。
「2部も観てね」
握手した。
30分過ぎると列が無くなるアイドルも出てきたが、RINはまだ長蛇の列になっている。
大川はスタッフに誘導の指示を出した。
「内田さん、時間内に終わりませんね」
「どうしましょう?」
「う~ん。18時まで延ばしましょうか?すぐにステージになりますけど、RINちゃん大丈夫かな」
「RINと相談するので、お待ちください」
「50分までにお返事ください」
「RIN。時間内に終わりそうに無いんだ。18時まで物販できる?」
「はい」
「すぐにステージだけど大丈夫?」
「頑張ります」
「そうか。ありがとう」
内田に伝えると大川はスタッフに整理券を配らせた。
「38人は17時過ぎですね」
「そうですか」
「18時過ぎた時は2部終わってからにしましょう」
「宜しくお願い致します」
「内田さん、CD取ってきます。ここお願いできますか?」
東海林が内田に声を掛けた。
「内田さん、うちのスタッフ付けますよ」
大川が言った。
「すみません。色々お手数お掛けします」
「イヤイヤ。久しぶりですよ。こんな行列」
「ありがとうございます」
17:50になった。
大川が残っているファンに謝罪し始めた。
ライブ終了後、物販を用意すると説明した。
RINも謝罪しお辞儀すると残っていたファンに胸元を覗かせた。
『ちょっとサービス。どれくらい見えたかな?』
控え室に入っていった。
既にステージ前は混雑していて、椅子席は用意しなかった。
「RINちゃん凄いね。少し遅らせようか?」
「大丈夫です」
「じゃあ、始めるよ」
「はい」
MCがステージに向かった。
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