少し大きめのその白い封筒に入っていたのは、キャビネ版より少し大きいサイズの十数枚の写真だった。
訝しげに顔を曇らせるまでもなく、被写体が女の裸の写真だというのがすぐにわかった。
最初の一枚が目に入り、雄一は瞬時に胸を詰まらせた。
白髪をボーイッシュに刈り上げている女の頭が、雄一の目に飛び込んできたのだ。
顔を確認するまでもなく、被写体の女は見紛うことなく、雄一の母の真由美だった。
愕然とした表情で手にしていた封筒からすべての写真が、雄一の室のカーペットの上に雪崩れるように
落ちて散らばった。
雄一もそのままカーペットの上に崩れるようにへたり込んだ。
一体誰が?どうして?
憤怒と驚愕の表情を露わにしながらも、雄一はカーペットの上に拡がり散った写真を一枚づつ手に拾い上げた。
どこか知らない家の一室の蒲団の上で、全裸になった母が四つん這いの姿勢をとらされている写真が雄一の目
に入った。
剥き出しにされた母の白い臀部に深く密着するように、裸になった大柄な男が膝立ちをしている。
男のグローブのような大きな手が、母の剥き出しの臀部を強く挟み込むようにくい込んでいる。
その男の顔を見て、雄一はさらに愕然とした思いに陥った。
津川明の顔に間違いはなかった。
雄一自身、団地内で二、三度顔を合わせて黙礼するくらいで、それほどの深い交流があるわけではなかったが、
母の口から何度か津川という男の人となりは聴かされていた。
津川がこの団地に転居してきた最初の頃は、雄一の母の津川に対する評価は良かったように聴いていた。
病院に長く入院している母親のところへ、津川は仕事が終わると毎日のように見舞に訪れているとかの話も聴
かされていた。
その津川がこれまで何かと世話をやいてきた母に対して、これほどにおぞましく非道な行為に及ぶとは、雄一
には俄かに信じられない出来事に思えたが、眼前の写真は間違いなく事実を写しているに違いなかった。
どこか知らない室の蒲団の上で、巨岩のように大きながたいで胡坐座りをした津川に正面で向き合うようにし
て母が跨るようにして腰を深く落とし込んでいる写真もあった。
母の細長い腕が津川の太い首に巻きつくように絡みついていて、抱き合うようにして唇を重ね合っていた。
母と津川の顔と顔が重なっているところを大きくアップしている写真があり、二人の表情が鮮明に写されてい
る。
同じ角度でもう一枚写されていて、母の唇が大きく開かれて長い舌が津川の厚い舌に淫靡に絡みついている。
別の写真では全裸の母が同じ布団の上で正座していて、その母の顔の前で津川が剥き出しの下半身を見せて
正座していた。
津川の下腹部に母の白い顔が埋もれるように密着していた。
その時の母の顔をアップに写した写真がある。
母の口の中に、津川の下腹部の黒くくすんだ太い突出物が突き刺さるように埋まり込んでいた。
苦しげに色白の顔を歪めている母だったが、自分の両手で剥き出しの乳房を、まるで自分の意思からでもあ
るかのように揉みしだくように包み抱いているのだった。
男が仰向けになって蒲団の上で太い両足を大きく拡げていて、その足の間に母が身を屈めるようにしてカメ
ラの正面を見つめている写真があった。
母の顔の前に蒲団に寝転んでいる男の下腹部のものが黒光りを放って、天を突くようにそそり立っていて、
母の細くて白い両手の指が絡みついている。
同じアングルで母が口を大きく開けて、太く屹立した男の下腹部の突出物の先端に桜色をした長い舌を這わ
して妖艶とも思える妖しげな目をカメラに向けているのだった。
繰り返して見ることなく、あるところで雄一はそれらの屈辱の写真を束にして、前方に強く投げ捨てていた。
写真は六畳の室中に散らばった・・。
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