恵子は当時産婦人科の妻子ある医師と不倫をしていた。その男性と肉体関係を
持ってからは、男性が離婚をして自分と結婚することを望むようになっていた。
その夜は不倫相手の医師が当直だった。医師は連日の手術と分娩で疲労困憊している
様子だった。その日、婦長から夜間救急患者が次々に連続して来る場合は、受け入れを断って
よいという申し送りがあったのだ。その夜、1件しか夜間の急患は無かったのだが、
それが拉致犯人の妻だったのだ。医師に同情する気持ちから、否、良く思われたいという
気持ちから恵子は急患を自分の判断で断ってしまったのだ。数日後、恵子は婦長から
その夜断った患者が死亡したことを聞いて知った。医師との関係もその後ぎくしゃくと
し始めて、結局別れて恵子は病院を去ったのだった。
※元投稿はこちら >>