明子は自宅のベッドで、信二の事を思いながら、枕を抱いていました。
“ああ、あんな素敵な男の人に抱かれてみたい”と、まるで王子様にでも出会ったような気分でした。
明子 「ああ、信二さん・・・・私を抱いて・・・・思いっきり私を抱きしめて。アアン・・・アン」
明子は長枕を、両脚に挟んで信二成りきって自分が抱かれる姿を想像していました。
ベッドサイドに置いたスマホが、ブルブルと振動しました。
明子が手に取ると、信二からのショートメールでした。
“今日は、ありがとう。楽しかったよ。今度は僕が食事に招待します。詳しくは、明日にでも。おやすみなさい。”
明子はベッドの上で、飛び跳ねました。
「やったー。王子様ゲット。」
次の日、信二から連絡が来ました。
“来週の金曜日。先日の場所で6時に待ってます”と言う事だった。
王子様からの、デートのお誘いなのです。
デートの前日、明子は落ち着けません。
「お食事の後、ホテルに誘われるかも」
「最初のデートから、ホテルに行くなんて尻軽女と思われそう」
「でも、誘われたい。誘われたら断れない」
当日、明子は何が起きても良いように、お洒落な下着を持って出勤しました。
仕事終わりに、会社のトイレで着替えます。
薄いブルー系の花柄刺繍の上下揃いの下着。
パンティは薄手で少し透けて、黒い毛が見えていました。
ベージュ系のブラウスに、スリットの入った膝丈のタイトスカート。
スプリングコートを羽織って、待ち合わせ場所に胸躍らせて向かいました。
約束の時間の5分前に、着きました。
信二は、既に待っていました。
明子 「ごめんなさい。お待たせして・・・。」
信二 「いや、僕が早く来過ぎたんだ。待ち遠しくて、我慢できずに。」
明子 「そんなぁ。嘘でも嬉しいわ。」
信二 「嘘じゃ無いですよ。本当に明子さんに会いたかったんだ。」
明子 「嬉しい。ありがとう。」
信二 「食事だけど・・・お洒落なイタリアンでもって思ったんだけど。そんなお店行った事、無くて。お魚でも良いかな。新鮮で美味しいんだ。」
明子 「お魚、大好きです。」
信二と並んで、明子は歩いて行きます。
何気ない、最近の身近で起こった話をしながら歩いています。
お洒落な雰囲気の、割烹料理店に着きました。
「ここだよ。ここの魚、最高なんだ。」信二は、暖簾を押し上げて明子を店内へ。
カウンターと小上りの座敷の奇麗なお店でした。
信二 「大将、久しぶり。」
大将 「おッ、久しぶりだね。どっか良い所、見つけて遊んでんだろう。」
信二 「違うよ。仕事、仕事が忙しくて・・・・中々、来れなかったの。」
大将 「そんな事言って。あれッ、今日は奇麗なお嬢さんと一緒?」
信二 「大将。いつもの、美味しいお刺身と煮つけ・・・・あとは、お任せで。あっ、それとビール。生。」
大将 「はいよ。今日も、良いのが入ってるよ。」
信二 「あっ、明子さん。ビールで良かった?」
明子 「はい、私は・・・・。」
小上りに上がって、向かい合って座りました。
まず、ビールがそして美味しそうな魚料理が並びます。
信二 「遠慮しないで、食べてみて。本当に美味しいから。」
明子 「うわッ、美味しい。」
普段、あまり飲まない明子も、信二に薦められるままに、飲んでいました。
楽しい時間も、あっと言う間に過ぎて行きました。
信二 「あっ、もうこんな時間だ。明子さん、門限とか・・・」
明子 「大丈夫です。一人暮らしだから・・・それに、明日はお休みなので。」
信二 「そうですか。僕は明子さんとの時間が楽しくて・・・・時間過ぎるの忘れてた。」
明子 「嬉しい。私も・・・・もう少し・・・・」
信二 「そうですか?それじゃ、もう一軒・・・お付合いして貰えると、嬉しいんだけど。」
明子 「あっ、はい。お願いします。」
明子は、何時に無く大胆な自分に、驚いていました。
二人は店を出て、ホテルの最上階のラウンジへ。
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