動物のような体位であった。
発情した四足動物が交わる際の体位。
屈辱的な体位。
だが、辱しめられること自体は悪くない。
むしろ、昂ぶる行為だ。
問題は、何故、今、そして誰に貫かれているのか、である。
少女には分かっていた。
確信があった。
自分を貫いている相手が誰なのか。
自分が何故、心地良いのか。
しかし、それを認めることは出来ない。
認めたくなかった。
だが、認めざるを得ないのだ。
「・・ノゾミ・・ノゾミ・・。」
愕然とした。
またもや父が狂っていることではない。
それでも母を求めるのか。
今尚、自分は代用品に過ぎないのか。
悔しかった。
屈辱であった。
惨めである。
暗い情念が娘を裡側から焦がす。
嫉妬であった。
父に対する嫉妬。
母に対する嫉妬。
今すぐ、躯を離したかった。
行為を中断したかった。
だが、出来ない。
躯が自由にならなかった。
腰が動いてしまう。
もっと奥まで貫いて欲しかった。
もっと激しく擦すって欲しかった。
その為の動きを能動的に為す躯。
自分自身の躯にすら裏切られるコダマ。
せめて声を上げまい。
せめて喘ぐまい。
悦びを露わにすまい。
何の意味も無かった。
だが、それだけが少女にとっての矜持であり、せめてもの抵抗であったのだ。
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