父と娘は秘密を共有していた。
娘は二人。
姉娘と共有している秘密を妹娘は知らない。
父と姉が番っていることは秘密である。
未だ幼い妹娘には理解することが出来ないだろう。
だが、幼いながらも女は女だ。
父と姉娘の関係には、何かがあると感じ始めていた。
「最近、お父さんとお姉ちゃんって仲良いよね?」
慌てながら言葉に詰まる父。
明らかに挙動不審だ。
「え?そぉ?」
・・昔から・・
・・仲良いよぉ・・。
ね?お父さん・・?
落ち着いて受け流す姉。
だが、内心は焦っていた。
週に一度は肌を合わせる父と娘。
自宅での行為は避けたかった。
妹に気付かれるわけにはいかないのだ。
とはいえ、中高生にしか見えないコダマを連れて『そういう場所』を訪れることも難しい。
制服を着たままでは不可能だ。
学校の帰りに落ち合って『そういう場所』に行ったこともある。
着替えを準備して登校するのは煩わしかった。
私服に着替えていたとしても周囲の眼が煩わしいことに変わりはない。
公園のトイレで交わったこともある。
大きな河川に架かった線路の下で交わったこともある。
だが、身体を洗う設備が無い場所では、行為の後始末が煩わしかった。
結局、自宅で番う父と娘。
深夜に娘が父の布団に潜り込んでから。
妹が風呂に入っている間に。
趣旨としては父の牡を満足させる、或いは欲情を解消すれば良いのだ。
手で。
唇と舌で。
父を射精に導けば良いのだ。
だが、いつの頃からか、それでは満ち足りない自分に気付いた少女。
抱かれたかった。
貫いて欲しかった。
出来れば乱暴に。
可能な限り、荒々しく。
初めて無理矢理、貫かれた時のことを思い出しながら自慰に耽ることもある。
昂ぶるのは確かだ。
だが、物足りない。
躯を抑え付けられ、抗いながら躯を開かれたい。
そんなことを夢想している自分のことが信じられなかった。
自分に獣の営みを教えた父が憎かった。
自分を遺して逝った母が憎かった。
二人を憎んでいる自分が厭わしい。
コダマの絶望感は益々深まり、自分を恥じるようになっていく。
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