あの時と同じだ。
男は既視感に襲われる。
初めて妻と交わったあの日。
尾槌骨から会陰をチリチリと焦がすような、あの感覚。
後、少し。
後、ほんの僅かだ。
紙一枚、髪の毛一本の差。
いや、それ以下かもしれない。
どうすれば良いのか。
何が足りないのか。
あの時、どうしたのか。
妻は何をしてくれたのか。
全て分かっていた。
だが。
男は少女の躯を抱き締めていた。
男は泣いていた。
済まない、済まない、済まない・・。
口にこそ出さないものの謝り続ける男。
訝しげに男の顔を見上げる少女。
少女を抱き締めながら、男はボロボロと涙を流し続ける。
不意に二人の眼が遭った。
少女の眼が問う。
・・どうすれば・・いいの・・?
男の眼が答える。
・・いいの・・か・・?
少女は僅かに困ったような表情を一瞬だけ浮かべる。
だが、次の瞬間、少女は微笑ったのだ。
その笑顔は、十数年前、初めて少女が男の膝の中に座った時に浮かべた笑顔そのものであった。
含羞むような。
照れたような。
男は涙が止まらない。
涙を流しながら、少女の肩に手を添えて躯の位置を変える。
少女は為されるが儘に躯の位置を変え、男の右側に座る。
男は少女の頭に手を添え、ゆっくりと頭の位置を下げていく。
少女の頭の位置が定まった。
その定まった位置は、男の下腹部の更に下、、だらりと萎えた肉棒と少女の顔の間に隙間は僅かであった。
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