喜代美は、我慢することには馴れていました。子供のいた旦那から元嫁を別れさせてこの家に来たため、いろんな人からのバッシングも受けました。
一番キツかったのは、彼の長女からのもの。罵られた回数は数えきれず、『自分が悪いから。』と全てを受け止めて来たのです。
おかげで自分からは口を開くことはなくなり、いつしか無口な女となっていきました。
孫のタクとの一件以来、彼女の神経は異常な集中をみせます。廊下の物音ひとつにも、反応をしてしまうのです。
しかしその反応など、なんの役にはたたないことに気づかされます。廊下の物音は、すぐに彼女の部屋の扉を開き、もう孫のタクに迫られていました。
ベッドから立ちあがり掛けた彼女は両手を握られてしまい、またベッドに逆戻りをさせられてしまいます。寝間着の前が開かれ、昔は自慢だったその胸を孫が見ているのです。乳房に感覚が走りました。
孫に触れられたにも関わらず、自分の乳房の萎み具合いを見られたことの方が恥ずかしい、と思っていました。
そして、孫に萎んだ乳房を揉まれ、その乳首を吸われ始めるのです。何年も無かった感覚に彼女は襲われます。
しかし、それを『気持ちいい。』と思えた自分をまだ女に思え、どこか喜んでしまうのです。
喜代美が男に乳房を許したのは、15年ぶりのことでした。旦那が無くなったのが16年前ですから、それは別の男ということになります。
その男は、未亡人となった50歳半ばの彼女に襲い掛り、すべてを吐き出していきました。
20代半ばのその男は、嫁や小さな子供の目を盗んでは、毎日のように喜代美の身体をむさぼります。
『お母さん、お母さん、』と呟きながら、彼女の中で何度も果てたのです。そう、喜代美が前に身体を許したのはタクの父親なのです。
喜代美はタクの愛撫に戸惑っていました。若さなのでしょうか、彼女が思っている思ったような愛撫ではないのです。
それは快楽というには程遠く、彼女の身体は拒否反応を見せてしまいます。『お祖母ちゃんが悪いから。タク、やめて。』と言ってしまいます。
彼女は常に、自分で責任を背負ってしまうのです。それでも自分を舐め回す彼を身体は拒否してしまい、『やめてって!』と突き離そうとしてしまいます。
重い身体でした。小さかったはずの孫の身体が、もう自分には押し返せないのです。彼女は慌てました。
足を動かし、なんとか体勢を変えようとします。しかし、その足にもあの感覚伝わりました。触れた彼の股間がもう硬くなっていたのです。
喜代美は必死になり始めました。もう、どんな手を使っても逃げることを決断したのです。タクの顔を手で押さえつけ、指に力を入れて押し返します。
穏和な彼女は、人の顔を叩くなど出来なかったのです。それでも彼女の行為は、効果を見せました。孫が必死な顔になっているのです。
しかし、その瞬間でした。大きな音とともに、彼女は左の頬に痛みを覚えたのです。頬を張られたのも、16年前のタクの父親に受けて以来のこと。
その子供に、彼女は同じ仕打ちを受けたのです。この一発で『弱い彼女』が顔を出します。涙が溢れしまい、もう動けなくなるのです。
喜代美は視界がぼやけ、手で何度も拭います。しかし、溢れる涙の量が多く、なかなか視界が開けません。
その視界の中、タクの顔が見えました。もう一度涙を拭うと、その顔の距離の近さに慌てます。気づいた彼女は、『タク!ごめん~!』と叫んでいました。
しかし、その直後に唇に人肌の温もりを感じてしまうのです。『キスは違う。』と思った彼女は、とっさに顔を振ろうとします。
しかし、自分の顔が触れないほどに、すでにタクの両手にガッシリと抱え込まれていたのです。
喜代美は、唇にとても圧力を感じていました。キスの馴れてない孫が、力任せに唇を塞いで来たため、呼吸の悪さを感じたのです。
恐くなり、彼の顔を押し返します。しかし、興奮をして唇を奪ってきた男の圧力は、彼女ではとても押し返せるものではありませんでした。
タクの不器用なキスは、心地悪さしかもたらしません。喜代美は、『もう終わって。早く終わってくれ。』とそんなことばかり思って受け続けたのです。
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