彩香「…ただいまー!」
彩香は平静を装いながら帰宅すると、家族に会うことなくすぐにシャワーを浴びた。
自らの膣内の精液を、否、精子の一匹も残さないつもりで洗った。自らの膣内に指を入れるだけで苦痛を伴ったが、それに耐えて何度も何度も掻き出すように洗った。
男たちの唾液がついた部分は嫌悪感から入念に洗い、口内は三度も四度も歯磨きをした…。
しかし、体内の嫌悪感は彩香の中から消えることは無かった。
精神的疲労、肉体的疲労により、食欲も出なかった彩香は、夕食も食べずにすぐに布団に入った。
(なんで…こんな目に……)
輪姦されたこと、健人を避けてしまったこと。彩香は考えれば考えるほど涙しか出なかった。
次の日から彩香は学校を休んだ。
体内を崩して病欠したが、その理由はもちろん輪姦されたことによる精神的な原因が大きかった。妊娠の恐怖…。彩香は初めて排卵日について調べ、かろうじて安全日だったということを知る。
幸い次の日には生理が起こり、一旦妊娠の可能性は限りなく低いが、性知識に乏しい彩香にとってそんな簡単に拭いされる不安ではなかった。
…彩香が休み続けて3日目、昼に布団に包まり休んでいると、スマホが耳元で鳴る。
LINEを確認すると、名前を見て彩香は青ざめた。
佐野剛。剛(つよし)という名前から自分を犯した男だということはすぐにわかった。
(おい、大丈夫か?)
彩香(こんなことされて……大丈夫なわけない!)
彩香は既読無視したが、すぐにまた連絡が来た。
(彼氏のチンコが恋しくなってきただろ!)
彩香は苛立ちと気持ち悪さがこみ上げてきたが、直後画像が届く。
おそらく佐野が撮影させた、彩香が処女を失った瞬間…乱れた制服で股を開かされ、グロテスクな肉棒が女性器を割り拡げるように突き刺さっている結合部、タオルで口を縛られているが激痛と恥じらいから横に顔を逸らし俯く彩香の顔にいたるまで、全て一枚の画像に収まっていた。さらに写真には[チンコ大好き暖]や[中に出して暖]などという卑猥な落書きが施されていた。
彩香は見たくもない画像を見て、改めて自分が汚されてしまったことを確認し、再び涙を流した。
連絡など取りたくなかったが、仕方なく佐野に返信する。
彩香(もう…やめてください。)
すると、佐野から来た返信は、(とにかく学校に来い!仮にオレを訴えたとしても必ず写真はばらまいてやる!)というものだった。
彩香はさらに学校に行くのが憂鬱になった。佐野が彩香と交際していることを学校で吹聴すれば、いずれは健人もそれを知ることになる。
(そんなの…耐えられないっ…。)
彩香は今絶望の淵に立っていた。
夕方、自宅のチャイムが鳴り、家に一人だった彩香は訪問者を確認した。
彩香(健人くん!??)
慌てて髪を整えてパジャマの上にジャンパーを着て玄関を開けた。健人に会いたいという気持ちもあったが、何より素っ気なく帰ってしまったことを謝りたかった。
健人「おう…杉崎、具合…大丈夫か?」
彩香「健人くん…どうしたの?」
健人「いや、これ。学校から届けてやってくれって。」
健人は彩香が休んでいた間の配布物を渡す。
健人「あのさ…ごめんな。帰るとき無理に呼び止めたりして。あの時もう具合悪かったのか?」
彩香「え?…なんで健人くんが謝るの?…私こそ…ごめんね。」
健人「杉崎がなんで謝んだよ…。あ、そういえば、バスケ部のマネージャーになったんだってな!」
彩香「…うん。マネージャー、やってみようと思うよ。」
健人「杉崎はテニスやると思ってたんだけど…マネージャーが杉崎ならオレもカッコ悪い姿見せられないな!」
健人は照れくさそうに笑いながら言う。
健人「それじゃあ、これで土日挟んで月曜日からマネージャーも部活に参加するようになるみたいだから、体調良くなったら来てくれよ。待ってるから!」
彩香「う、うん!一緒に…頑張ろうね!」
健人「おう!」
健人はそう言うと爽やかに帰っていった。
彩香は健人に元気と勇気を貰った気がしたが、同時に住む世界が変わってしまった気がした。
健人の後ろ姿に手を伸ばしても、届かない。もうどんなに手を伸ばして追いかけようと…。
月曜日…。
久々に彩香は学校に登校した。
真希「彩香大丈夫??…心配したよぉ~!」
彩香「うん、ごめん!もう大丈夫だから。」
彩香は平静を装って学校生活を送る。しかし常に付きまとう佐野の存在に怯えていた…。
授業が終わり、生徒達はそれぞれの部活動の準備を始める。
彩香も体操着に着替えて体育館に向かった。新入生はもう部活に参加していたが、今日から彩香がマネージャーとして入部するため、新入部員の自己紹介をする予定だ。
体育館に入ると、すでに練習が始まっていた。健人の姿もあり、彩香は無意識に目で追ってしまう。
マネージャーの彩香が来たことで一旦集合がかかると、彩香と共に新入部員達と上級生が整列し、新入部員が順番に自己紹介を始めた。
彩香はその瞬間目を疑った。自己紹介を始めた新入部員、彩香にとって忘れたくても忘れられない人物…。
佐野…剛!彼はバスケ部の新入部員だった。さらに、後ろでカメラを撮っていた男…その男も新入部員として整列していた。そして…上級生の中に彩香をニヤニヤと見つめる二人の男…。彩香の頭の中に数日前の出来事がフラッシュバックする…!
実は全ては佐野の計画通りだった。
入学式から数日後の出来事…。
?「佐野。あんた杉崎さんのこと、気に入ったんでしょ。」
佐野「まぁ…誰でもヤリてぇよなぁ…あんな学年のアイドルみてぇな奴とは…。」
?「フフッ…実はね、あたしいいもん持ってんだ。」
佐野「これは…!」
佐野は見せられた画像を思わず凝視した。あの杉崎彩香の排泄後のシーンだった。
?「どう…?あんたがその気なら…くれてやってもいいよ。その代わり…やるなら徹底的にね。」
佐野「なんでお前はそこまで…?」
?「うざいんだよ。健人に近づくのが…。じゃあ、よろしくね…。」
こうして佐野は人気者である杉崎彩香を脅し、屈服させることが出来うる卑猥な画像を手に入れたのだった。
もともと中学の頃からバスケをやっていた佐野だったが、素行は悪くほとんど部活に行くことはなかった。
だが、彩香がバスケ部のマネージャーになることを知り入部を決めた。そして小中学で先輩であり、悪友でもあった飯塚、増田の二人を誘ったのだった。この二人もバスケ部員の端くれで、レギュラーには程遠い存在だった。
佐野「やっちまいましょう!この画像があれば好き放題ですよ!それにこいつ、マネージャーになるらしいっすよ。」
飯塚「マネージャーかぁ!ってことは一度脅してヤッちまえばやりまくれるかもしれねえな!」
増田「よし!じゃあお前もう一人用意しろ!撮影役だ!」
そう言われて佐野は同じ中学の山本を誘い、例の四人が揃ったのだった…。
彩香を犯した四人組…それが健人と同じバスケットボール部員だという衝撃の真実。
彩香は、めまいに襲われたように視界がグラグラと揺れるような感覚に襲われた。
それでも気をしっかりと持ってなんとか佐野を含めた新入部員の挨拶を聴き終えると、最後に彩香の順番が回ってきた。
彩香「…杉崎彩香です…。マネージャーとして、皆さんのお役に立てるよう頑張りますので、よろしくお願いします。」
美人マネージャーの入部にバスケ部全員から拍手が巻き起こる。しかし喝采の拍手の中に、どす黒い拍手が混ざっていることを彩香は知っていた。
彩香を貶めた張本人、佐野剛を始め、撮影していた山本充、上級生の飯塚直哉と増田将太。
彩香を照らす光と、彩香を飲み込む闇。
光と闇の狭間で揺れ動く、彩香の高校生活が始まる。
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