暗闇の中で健太がマリコに聞いた。
「前の旦那さんとはどうやって知り合ったの?」
「友達の紹介よ、元旦那は大卒の公務員だったの。あたしみたいな、
取り柄のない女にいい仕事はなくてさー、生活が大変で夜はスナックで
バイトなんかしてたの。そんな時に友達が公務員でお嫁さん募集中の人が
夫の知人にいるのだけど、会ってみない、て言われたの。公務員て
意外と出会いの機会が少ないのだってね。それで会ったのが元旦那。
かなり年上だったわ。真面目な人で直ぐに両親を紹介された。
結婚まではキスしかしなかったの。
ところが新婚初夜でガチガチに旦那が緊張しちゃって、おちんちんが
立たないわけ。結局初夜はダメで、2回目はあたしが頑張って立たしてあげたけど、
直ぐに中折れしちゃって。でもなんとか射精まで漕ぎ着けて、ああ、疲れたてね。
それがトラウマになったのか、めったに旦那が求めなくて、仕事が忙しいとか、
明日は大事な会議とか。やがてあたしが不倫に走って破局になったの。
半年足らずの結婚生活だったわ。性の不一致てやつね。もうこんなのはコリゴリ。」
「性の不一致、か。」
健太が闇の中でつぶやいた。
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