洋子はほんのしばらくの間、圭太に上半身を明け渡しました。その行動を見て、彼の女性経験を探ろうと思ったからです。
圭太は口から舌を出して、彼女の上半身を隅から隅までペロペロと犬のように舐めます。彼女も、『ここまで舐めるか?』という程でした。
口からは、うわ言のように『洋子…、洋子…、洋子…』と名前を呼び続けています。普段は『洋子さん。』と呼ぶのですが、呼び捨てにする彼に恐怖を感じます。
更に、『洋子…好き、洋子…好き、洋子…好き、』と連呼され、その異常さに『狂ってる…。』とさえ思うのです。
圭太は、洋子の身体に絡み付いて離れませんようとはしません。足が離れ掛けると、すぐに彼女の足に絡ませてくるのです。
彼の口が、洋子の大きな胸に取り付きました。大きくなり掛けた乳首にかぶりつきます。その瞬間、洋子の身体に電流が走ります。
女として感じてしまったのです。これはとても恐いことでした。彼の様子を探るつもりが、身体が反応をしてしまったのです。
年齢も経験も、上の立場から圭太を見ていたはずが、そうではなくなりかけている自分に恐くなってきたのです。
『やめてよぉ!!もう、いい加減にしてよぉ!!』、普段は人に怒ったりしない彼女が、険しい顔を見せ、精一杯の声をあげました。
その瞬間、『やかましわぁ~!お前、やらせろやぁ~!!』と逆ギレされ、圭太の右手が左頬に飛んできます。
とっさに両手が顔を守り、間一髪彼の張り手は回避出来ました。しかし、彼の逆上は収まらず、ブロックをしている腕の上からでも、何発も手が飛んできます。
彼女が回避出来たのは、最初だけ。捌ききれなくなり、最後は何発も彼の張り手を食らってしまうのでした。
『悔しい…。ほんと、悔しい…。』、そう思うだけで、涙が出ました。
洋子は、頭に痛みを感じました。そして、その痛みによって、自分の身体が思い通りに動かないことに気がつきます。
顔の皮は上に引っ張られ、立つきもないのに、ベッドから降りようとしています。圭太に髪を鷲掴みにされ、ベッドから引きずり降ろされたのです。
『来い!オラァ~!はよ、来いやぁ~!』と髪を引っ張って行く圭太。洋子はなす統べなく、彼の進む方向に足を運ぶしかありませんでした。
廊下に出ました。下を向いていた彼女は、床の木目でそれが廊下だと分かりました。そして、なぜか圭太の手に自分の衣服が握られています。
圭太が、何かアクションを起こしました。下を向いていたため、それがなにか彼女には分かりません。しかしすぐに、彼女の視界にあるものが見えます。
それは、階段から一階に投げ捨てられていく、自分の服でした。
洋子は、更に引っ張られました。その方向は間違いなく、昨日圭太が使った部屋です。洋子の中に、『ダメだ。』という感覚がうまれました。
昨夜からだろうが、今は圭太の部屋です。その男の城の中に連れていかれるのは、アウェーのような気がして怖かったのです。
『圭太さん、お願い!やめて!もう、やめて!』と叫びましたが、彼女は彼の城に招き入れられてしまうのでした。
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