お目当ての制服をみつけてはしゃぐ宏海、更衣室で着替える様子、田沼の前でクルクル何度も回ってアニメのキャラになり切った姿を見せる宏海、すべては店内のカメラで盗撮されていた。店長の寺内は、初めのうち宏海が、とくにDカップを惜しげもなくさらす宏海の生着替えの模様は、ひそかに売っている着替え盗撮モノの目玉になると考えていたが、ふと着エロやAVの事務所に宏海を売り飛ばした方が儲けは大きいかな、と考え始めた。生着替えの盗撮画像を綿密に調べれば、パンティーの中で膨張を始めた男根も映り込んではいるのだが、揺れるDカップに目を奪われて、まったく不審には感じなかった。
祐実はいら立ちが収まらなかった。製造開始直前だった新しいアンチエイジングクリームの販売に、親会社のコンプライアンス部門からストップが掛かった。新製品は効果がありすぎるので、医薬品に分類されるべきだと主張する一派が現れたのだ。医薬品となれば安全性審査にまた長い時間がかかるし、その過程でアンチエイジング効果の秘密が漏れる可能性が高い。そもそも安全性は若さを求めるセレブ婆ァたち、そしてなにより祐実自身が被験対象になった人体実験で確認済みだ。
祐実は、外見だけなら希美と同じぐらいの年齢に見える。付属医院での外科療法も併用はしているが、大半はこのクリームの効果と自負している。もしかしたら会社としては、今まで通り希少品として、セレブ層に超高価格で恩着せがましく若返りクリームを売ると同時に、コネを作る方が社益にかなうと考えて、一般向け商品の発売を先送りしようとしているのか?
堂々巡りの会議の途中で、筆頭格の女性秘書が戸惑った様子で宏海の来訪を告げた。そういえば定期健診の日だが、優先されるべきは会議であり、途中でわざわざ連絡してくることでもない。過去には同じような状況が何度もあったが、そのときは秘書たちは宏海を適当な部屋に案内して、待たせている。怒りが沸点に近づいていた祐実は、思わず大声で秘書を叱り付けてしまった。
結論が出ないまま会議を終えたのは、三十分ぐらい後だったろうか。終わったというよりは、秘書を叱る祐実の剣幕に、会社側の人間が恐れをなして撤退した感が強い。そうなると、あの女性秘書はわが身を犠牲にして、祐実に有利な状況を作り出した功労者になるかも知れず、すぐにも褒めてやる機会をつくらねば、そう考えながら祐実が診察室のドアを開けると、そこには髪をショートにした、高校生のころの希美がいた。
そんなわけはない。よく見れば座っているのは、アラカンの祐実でも知ってるぐらい、若者に人気のアニメの制服を着た宏海だった。アニメのショートカットの人気キャラが2Dから三次元に抜け出してきたかと思うぐらい似合っている。これでは秘書が驚いて会議室に走りこんできたのも無理はない。「どうしたの。その恰好…」。宏海がこの暑さでは、もうサラシを巻くのは耐えられないこと、休日はほぼミニスカで過ごしていると説明した。
祐実は宏海が最初に巨乳化した小六のとき、男の子にはほとんどない乳腺が、宏海には思春期前期の少女並みの密度で存在することを発見していた。今回はその乳腺が急成長し始めたことが巨乳化の原因だが、将来的な乳がんの危険を避ける意味も含めて、手術で乳腺を切除する必要がある。そのためにも、受験が終わるまでは保存療法でいいという自分の診断は自信過剰だったのか、手をこまぬいているうちに宏海は心まで女性化してしまったのではないかと、祐実は心配になった。急いで宏海を裸にすると、想定以上に成長した胸に軽い驚きを覚え、服を脱いだ祐実の裸に反応して、以前と変わらずソソリ立った宏海のペニスを見て安心した。そのまま押し倒して騎乗位で挿入し、これまでのいら立ちのすべてをぶつけるように腰を振った。宏海の乳房をわしづかみにすると、少年の身体はブリッジをするように何度も反り返って、祐実の膣奥まで若い精液を噴出する。これまでにない反応がおもしろく、これはこれでありかな、と祐実は思った。
きょうの宏海の主な相談は、夏休み中の医学部受験対策泊まり込みセミナーに行くべきかどうか、だった。全国規模の大型予備校主催のセミナーで、主要大学の有名教授が臨時講師を務めるのがウリだ。毎日、臨時講師との個人面談があり、優秀な学生がほしい私立大教授の中には、この面談結果で入学推薦を受け付けてしまうところもあるという噂だ。宏海は旧国立大医学部志望だが、そこの教授も講師に名を連ねているので、参加すれば有利に働くかとも思うが、日程が七日間もあり、費用も高額な上、身体の変調をどう誤魔化すか、思いつかないのだ。
祐実は、セミナーがホテル借り上げで、参加者はそれぞれ個室に泊まること、そして宏海と同じ高校からの参加者はいないことを確かめたうえで「この制服で行きなさいよ」と簡単に言い放った。今日の宏海を見て、サラシ姿より女装の方がよほど周囲は受け入れ入れやすいだろうと思ったのだ。級友や担任でもなければ、今の宏海を男と思う人間はいないだろう。
たまっていたうっぷんを宏海の身体で発散させた祐実は機嫌よく、セミナー費用の全額を負担することにし、一番高いランクの部屋を取れといった。パンフレットを見ると、4つに分かれた宿泊プランの最高と最低では、料金が一桁ぐらい違う。あきらかに親の資産を知りたいのだ。ここで下手にケチると、受講の意味そのものがなくなるだろう。
もともと祐実は、宏海が医者になるなら、その学資は自分が持つと言っている。藩の御典医の系譜を引き継ぎ、多くの医師を輩出してきた大川家、古い名門によくある話だが、代々、女系で男の子がなかなか生まれない。希美の父は数少ない直系男子ではあったが、希美自身は愛人の娘で、認知はされたものの、一族では疎外され気味、味方は祐実だけだったと言ってもいい。それが宏海を生むと皆、掌を返すようにほめたたえ、一族のためにもっと男の子を生め、そして一族の各家に養子に寄越せと圧力をかけられて閉口した経緯がある。
祐実は学生時代から結婚と離婚を繰り返していて、三人の娘を生んだが男の子には恵まれなかった。しかも甘やかして育てたためか、みんなアソビ惚けて成績は悪く、医学の道に進めたものは一人もいない。宏海をかわいがるわけだ。
一時は喧嘩別れしたとはいえ、アンチエイジング研究の評判が高くなると、祐実の母校の方からすり寄ってきたので、宏海を押し込むことぐらい、簡単にできる。宏海がこのセミナーでしくじって志望校を落ちても、どうということはない。むしろ、大しくじりをやって志望をわが母校に切り替えてくれれば、祐実が将来的に母校の頂点として帰還する足がかりになるから歓迎したいぐらいだ。
セミナー会場に到着した宏海は、さっそく着替えることにした。家を出るとき、アニメ制服姿の宏海をみた父親のタカハシ氏は激怒した。一時的な症状に過ぎないと信じていた、いや、信じたい息子の女体化、それがもう引き返せなくなりつつある予感におびえているからだ。しかし、これが祐実の発案だと聞いて、急に反対するのを止めてしまった。祐実とは過去のいきさつから、頭が上がらないのだ。
結局、一人で電車で行くという宏海を、自分が車で直接会場まで送ることで妥協したのだが、懸念していた通り、信号待ちやらなにやら、あらゆる機会に男どもが寄ってくる。いちいち追い払うのが大変だし、勝手に盗み撮りしようとするやつもいるから油断できない。ホテルに着いたらすぐに着替えろという父親の助言、無視はできなかった。
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