急にヤクザ映画張りのサラシ姿になった宏海は、学校でさすがに目立ちはしたが「医学部合格の願掛け」でみな納得した。というよりも、それぞれが自分の受験勉強で頭がいっぱいで、妙な願掛けをする奴がいっぱいいる、進学校特有の事情から、教師も含めて、宏海のサラシ姿など、成績の昇降に比べればどうでもよかったというのが正しいかもしれない。
しかし、初夏の放課後の教室で、もうだれもいないと思った宏海が、急に苦しくなったサラシをとって、また大きくなった自分の胸を調べている様子を、こっそり覗いていた同級生がいた。宏海と学年ベスト3を争っているうちの一人、渇田だ。渇田少年は宏海の成績が急上昇しているのは、サラシに何か外部との通信手段を隠しているからではないかと疑い、見張っていたのだ。それが、サラシの下から現れたのは、Dカップはあろうかというみごとな巨乳、渇田少年が驚かないはずがない。
宏海は、眉骨突起が発達しておらず、顎は華奢、ひげは生えていないしのどぼとけも小さい、つまり中性的というより女性的な顔だちなので、これに巨乳が加わると、もう美少女にしか見えない。だが渇田少年は、つい半年間まで丸坊主だった同級生の下半身にぶらさがる、標準よりは大きめのちんぽを着替えの際に何度か目撃している。そういえば去年は水泳の時間に、男子全員で水中オニごっこをして、宏海に抱き着かれたり、後ろから宏海の胸の辺りを両手で抱きしめたりしたが、あのときすでに宏海の胸はすこし膨らみ始めていたかも知れない、柔らかい感触があった。ふざけて「このおっぱい、お乳がでそうだぞ」とかいいながら、揉んでるやつもいた。もう少ししっかり観察しておけばよかった…。今年は、宏海は水泳の授業をすべてトバしている。勉強一筋でまだ童貞の渇田少年は混乱し、そして自身はまだ気づいていないが、恋に落ちてしまっていた。
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