リラクゼーションサロンの恥罠16
宏と未知子は一つに繋がって互いに顔を見合わせる。
不安そうでもあり窮屈そうでもある彼女に彼が云った。
宏「未知子さん、どうですか?」
「どんな感じ?」
彼女は浅く呼吸をして口を開いた。
未知子「ふぅ~、はぁ~、ふぅ~」
「どんな? ぅ~ん」
「はぁ~、 あのね、何か変な感じがする」
宏「変な?」
未知子「そう、何だか異物感が強いんだよね~」
「もっと、気持ち良いものかと思ってたから・・」
宏「異物?・・・」
彼女は期待が大きかった分、実際のSEXに戸惑いを見せた。
彼に愛撫されていた時は、あれ程の快感が得られたのに。
彼女の気持ちは萎み、落胆して行く。
これでは只の動物が行う生殖作業に成ってしまう。
それでは余りにも寂し過ぎる。
彼女は訳も分からず彼に聞いた。
未知子「宏さん、どうしよう?」
「どうしたらいい?」
彼にも分からなかった。
彼女は処女喪失で痛みを訴えている訳では無い。
彼女が抱いていたイメージと実際の感覚にズレが在るだけなのか。
しかし、必死になって己のペニスを奮い立たせてくれた彼女である。
ここは何とかせねばなるまい。
彼は、そう思った。
そんな時、またまた彼女のスマホからメロディーが鳴り出した。
だが、彼女はベッドに寝たままで、完全に無視を決め込む。
宏「あの~未知子さん?」
「緊急の用なのでは?・・」
未知子「・・・・・」
電話の呼び出しは何時まで経っても切れなかった。
宏「はい、これ」
彼は、ベッドの脇に置かれたテーブル上のスマホを、思いっきり手を伸ばして掴み、それを彼女に渡した。
彼女は仕方なさそうに、それを受け取った。
未知子「はい、出門ですが!」
「えっ?なに?誰?」
「ハラ? ハラマモル?・・・誰?」
「えっ?よくわかんないけど、・・・この声は確か・・」
「きんちゃん? ケーキ屋の?」
彼には何が何だか、よく分からなかった。
未知子「民自党の、政調会長?」
「肝臓がん?」
「ステージ4・B?」
どうやら病院の先生との会話らしい事だけは分かった。
未知子「知らないよ!勝手にすれば!」
「えっ?なに?」
「はぁ?」
「そんなの、あんたがオペすればいいじゃない」
「私、忙しいの!! 切るよ!!」
電話を切った彼女の顔は怖かった。
完全に仕事モードである。
彼は彼女の差し出すスマホを受け取って言った。
宏「えっと、あの、切っちゃっていいんですか?」
彼の少し怯えた顔を見て、彼女は素早く笑顔に表情を変えた。
未知子「えっ?あの、えっと・・」
「おホホホッ、ごめんあそばせ!」
彼女は手で口元を隠して、さっきの事を誤魔化そうとした。
すると心配そうに彼が尋ねる。
宏「あの・・病院、行かなくていいんですか?」
未知子「いいのよ!あんなのほっとけば!」
宏「ほっとけ・・」
「え、だって民自党って?」
未知子「知らない」
「どうしても治りたけりゃぁ、向こうから来るんじゃん!」
宏「来るんじゃんって?・・」
彼は彼女の悪魔の様な一面を垣間見た。
未知子「それより、こっちの方が大事!」
確かに、そうであった。
彼女は、まだ彼のペニスを膣に受け入れただけなのである。
民自党など知ったこっちゃ無いと彼は思い直した。
未知子「宏さん・・・」
彼女は一転して乙女の不安そうな表情を見せる。
彼は思った。
今の彼女や先程の彼女も同じ一人の女性なのだ。
その二つが複雑に入り混じる裏にもう一人の彼女が居るはずだ。
その彼女を見つけ出して、解放させて上げなければならない。
彼は、いきなり彼女の胎内から抜け出した。
未知子「えっ?えっ? なに?どうしたの?」
戸惑う彼女を尻目に、彼は行動する。
彼は隣の部屋に行って幅1メートル弱の大きな姿見を二つ持って来た。
そして、それをベッドの直ぐ横に並べて置いた。
未知子「宏さん、一体、どうしたの?」
不安がる彼女に構わず、彼は再びベッドに上り彼女へ云った。
宏「未知子さん」
「この鏡の前でエッチしよう!」
未知子「はああぁぁ~~???」
彼女には彼の意図が読み取れなかった。
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