リラクゼーションサロンの恥罠9
彼、田中は困惑した。
今迄の展開とは真逆の有り様である。
そもそも狙いを付けていたのは彼の方であった。
アラフォー世代に手が届きそうな未知子ではあったが、その美貌や知性と極上のプロポーションは、自らの遺伝子を刻み込む対象としては最高の素材であった。
あのワイルドな程に研ぎ澄まされた美しいボディーに潜む優雅なおまんこに、己の精液を溢れる程注ぎ込み、その奥に有る神聖な子宮に子を孕ませる。
そんな想像をしただけで彼のペニスの先端からは、ぬるぬるのカウパー液が溢れて来る。
だが今回の場合は、話の展開が全く異なる。
彼女の方から種付けの依頼をされてしまった。
通常の男性であれば夢の様な話である。
しかし彼には拭い切れない違和感があった。
彼女に対しては十分な警戒心が必要である。
彼は本能で、そう感じていた。
未知子「あの、・・・田中先生?」
「やはり唐突過ぎました?」
「もし、お気を悪くされたのでしたら」
「あの、この話、忘れてください」
彼女は黙ったままの彼を見て、後悔気味にそう伝えた。
すると彼は沈黙を破って彼女に言葉を返した。
田中「あ、いや、すみません」
「いきなりだったもので、混乱して・・」
未知子「そうですよね」
「女がこんな事を云うなんて」
「頭がおかしいとお思いになるのも仕様が在りませんね」
田中「そんな事は無いです!」
「ただ貴女の様な美しい方に云われても・・」
「その、説得力と云うものが・・なかなか・・」
未知子「はっ?、そんな事で?・・・」
「あの、・・私って、その・・」
「異性からの誘いが無いっていうか・・」
「そもそも嫌われ者ですし」
田中「嫌われ・・?」
未知子「男性とまともに交際した事も無いですし・・・」
田中「はっ、はぁ」
未知子「もう、こうなったら言っちゃいますけど」
「私、男性の経験もありませんし・・・」
田中「ええ? まさか!」
未知子「このまま老いて行くのは寂しいですし・・」
田中「・・・・・」
未知子「ならいっその事」
「お優しい田中先生におすがりしようかと思ったんです」
田中「・・・・・」
未知子「あの?、・・せんせい?」
田中「・・・いいんですか?」
「その、 本当に僕で?」
未知子「田中先生だから」
「こんな恥ずかしい事・・」
「云えるんです」
彼は迷っていた。
彼女の言葉には嘘は無い様に思えた。
だが如何せん、話がいきなり過ぎる。
そう思った。
田中「あの、出門様」
「もしよろしければ」
「バーチャルでもいいのでお付き合いをしてみませんか?」
未知子「お付き合い?」
田中「そうです!」
「仮想交際って事になるのかな?」
「どうですか?」
未知子「はあ、先生が宜しいのでしたら」
「よろこんで」
田中「そうですか!」
「じゃあ、決まった!」
何やらよく分からない状況になった。
彼も勢いで云ったものの、どうすればいいのかよく分からなかった。
とにかく前に進むしかない。
彼は、そう開き直った。
それからの数か月、二人はデートの様な行動を重ねた。
すると、段々と彼女の本質が見えて来る。
彼女は本当に男性と交際した事が無い様だ。
何処にも男の匂いがしない。
それから言葉遣いも変わって来た。
今ではすっかり男言葉で喋る様になった。
今日は彼女が来院する日である。
今ではもう二人共が、すっかりと打ち解けて本当の恋人同士の様であった。
未知子「こんにちは~!」
「宏さん? 居るの~?」
田中「ああ、未知子さん!」
「いらっしゃい!」
彼の方が年下で、早くも尻に敷かれてしまった様である。
彼女は彼の出したお茶を飲みながら、何やら提案をしたい様だ。
未知子「ねえ、宏さん」
「私が最初に云った言葉」
「覚えてる?」
田中「最初に?」
未知子「そう、最初!」
田中「ええと、最初?・・・何だっけ?」
未知子「もう(怒)、忘れたの?」
「私たちが付き合う事になった理由!」
田中「それは・・確か君が僕と・・」
未知子「そう、それ!」
田中「そうだった!」
「そうそう、何だか君と居ると楽しくて」
「忘れてた!」
未知子「ひど~い(更に怒)」
「結構、いい加減だ!」
田中「ごめんなさい!」
「えっと、それで?」
未知子「実はね、今日は私にとって最高の日なの!」
田中「最高の?」
未知子「そう!」
「私、結構前から基礎体温を測っててね」
田中「体温を?」
未知子「そうなの、でね」
「今日辺りがベストなんだ!」
田中「今日!!?」
未知子「うんっ!」
彼は彼女の言葉で、やっと現実に引き戻された。
彼女との付き合いは、疑似恋愛であったのだ。
彼の心は複雑であった。
未知子「どうしたの?」
「宏さん、何か元気無いよ」
田中「あっ、いや・・」
未知子「私、ドキドキして来た!」
「宏さんは?」
田中「僕? 僕は・・・」
「う~ん、何かよくわからない」
未知子「何で?」
「こんな美女とエッチ出来るんだよ!」
田中「ははっ、確かに」
未知子「私、真剣なの!」
「もう、年齢的にも余裕は無いし」
田中「そうか・・・でも君なら幾らでも男は寄って来るだろうし」
「選び放題でしょ?」
未知子「はあぁ?」
「何言ってんの?」
「私が貴方を選んだんだよ!」
「とにかく、ねっ! 行こ!」
田中「ああ、そうだね」
彼は何故かテンションが上がらなかった。
彼女との仲はあくまでも赤ちゃんが出来るまで。
その目的が果たせたら、彼女は居なくなってしまう。
彼にはそれが寂しかった。
彼女は今、シャワーを浴びている。
彼女に出会った頃は、ただそれだけで勃起していたのに。
今は全く反応が無い。
非常に不味い状況である。
未知子「お待たせ~」
「宏さんもど~ぞ~!」
彼女が髪をタオルで拭きながらやって来た。
田中「・・・・・」
未知子「ん? どしたの?」
田中「ごめん・・・」
未知子「えっ?」
田中「あの・・・起たなくなっちゃった!」
未知子「はぁ?」
彼女も困惑した。
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