【その2】
1回目の家呑みの翌朝、妻は二日酔いのせいでかなり気だるい感じでしたが、和也に妻にいたずらさせたことはバレていないようでした。
「昨日は飲み過ぎて寝ちゃったみたい。ごめんね」
と久美子は僕に言ってました。
(謝るのは僕のほうだけどね)
心の中でそう思いましたが、もちろん口には出しませんでした。
数日後、居酒屋で和也と作戦会議を開きました。
「やっぱり酔い潰れさせただけだとダメだな。起きそうになる」
和也はつまみを食べながら言いました。
「娘もいるしね。家呑みは難しいかも」
「加奈子ちゃんか。まあ、2階の部屋にいたら大丈夫だろ?降りてきたら物音で気付くし」
二人で色々話しましたが、和也が僕に
「睡眠薬使ってみるかな?」
「睡眠薬!?」
僕はその言葉に驚きました。睡眠薬なんて使ったことがなかったので正直その言葉だけでビビりました(笑)
「だ、大丈夫なのか?」
「俺が自分でたまに使ってるやつ使ってみようか」
和也は言いました。そう言えば、寝付きが悪かったり眠りが浅いって前に和也は言ってました。
「ま、睡眠薬飲ませても、AVみたいに何したって起きないってわけじゃないよ。すぐに目を覚ましたりもするからあんまり大胆なことはできないけどな」
「そうなんだ」
僕は睡眠薬に関する知識なんてないから、飲ませたら何時間かは絶対に起きないと思ってました(笑)
「2回目の飲み会は使ってみよう」
和也と僕は睡眠薬を使うことで合意しました。
2回目の家呑みは1回目から約1ヶ月後に実行しました。あんまりすぐに家呑みをやるとバレると思い、少し間を開けることにしました。妻は特に疑うこともなく、
「またお酒が飲めるね。今度は酔い潰れないようにしないとね」
と言ってました。
前回と同じく自宅の和室で飲み会を始めました。
妻をある程度酔わせてから睡眠薬を飲ませようと思いました。
飲み会は順調に進み、妻もいい感じに酔い始めました。ただし、致命的な問題が1つありました。中学生の娘の加奈子が2階の自室ではなく、和室の隣のリビングで好きなテレビ番組を見ていたのです。リビングのソファーに座って、たまに加奈子の笑い声が聞こえました。
(どうする?)
和也は小声で僕に聞きました。
(う~ん・・・仕方ないな)
僕は立ちあがり、キッチンの冷蔵庫からオレンジジュースを取り出し、睡眠薬を入れて娘に飲ませることにしました。
「加奈子、オレンジジュース飲む?」
「ありがと~、パパ」
加奈子にオレンジジュースを渡すと、彼女は何の疑いもせずにゴクゴクと睡眠薬入りジュースを飲みました。
それと同じ頃に、久美子にも睡眠薬入りのビールを飲ませました。
二人が眠りに落ちるまで小一時間くらいでしたが、これまでの人生で1番長い小一時間でした。
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