その日は色々と考えてしまい、眠れない夜を過ごしました。
和美の中に目一杯出すつもりでいた俺のザーメンは、自分の手で残さずに出し切りました。
夜が明けて、バイト最後の日。午前中の授業を終えて、そのまま店に行きました。
和美はいつもと変わらず、事務所のデスクに座り、電話をしていました。
目を合わせ無言で挨拶をした後、和美は電話を終えました。
俺は吉岡が取り上げたスマホをデスクの上に置き、無言の和美でした。
ママさんとのLINE、三人とも登録したんで…それと、メッセージも入れといたんで…
そ、そう…
かすれた声の和美。見ると瞼も腫れており。泣いたのかもと感じました。
俺はそのまま倉庫に行った。田村は先に来てました。
その日の二人は昨晩の和美とのことは互いに意識して触れずにいました。
話題にしたいのは山々だけど、自分の心の中は探られたくない…そんな感じでした。
月末の棚卸作業も終わり、俺のバイトの終了時刻。
ロッカーに入れていたスマホを見ると。和美に送ったメッセージは既読になってました。
その内容は、二人だけで会いたい、返事ください…でしたが、和美のメッセージは入ってなかったです。
事務所に行くと、最後のバイト代を和美は俺に渡しました。
ごくろうさまでした…笑顔のない事務的な言葉で、それに反抗するように俺は言いました。
これでもう雇用されてないから、ママさんとは対等ですね…っていうか、立場は逆になったかも…
無言の和美、俺はそのまま田村と店を出ました。
田村がぽつりと言いました。
吉岡さん、出禁になるかもな…。
しがない御用聞きの営業だし…けど、あの人はそんなの気にしないよな…
その後、俺は田村や吉岡とは積極的に連絡をとりませんでした。
ただ、奴らが俺の知らないところで和美に…それは気になって仕方ありませんでした。
俺自身、和美へのメッセージは思いつくたびに何度か送ってたけど、全部スルーされてたし。
3週間も経った頃、ふいに吉岡からメッセージが入りました。
吉岡は伝えたあるサイトリンクを貼っていました。
見てみると、そこには俺も見た和美の画像、顔モザがされ載っていました。
やっちゃったな…そう思った俺は、和美は知ってる?田村は知ってる?…って訊いてみたんです。
和美にはこれから教えてやろうかと…田村はもう無視…との返事に俺は同意した。
吉岡は俺が絡むと田村も仲間に入れたが、そうでなければあまり好きではなかったみたい。
和美とまた…今度会った時は…
俺はあの日以来の空白が一気に埋まった気がしました。
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