部屋には排泄後の悪臭が漂っていて、それに慣れていない者たちは顔を顰めているが、多くはその臭いに鈍感になっているので結構平気でいた。壁時計を見ると、既に午前近くを差している。「おまえたちは家に帰る気はないんだろ?」「はい」美里が答えた。「通いは面倒だよな」「仕方がありません」大して広くはないその部屋には十人程の女たちが気だるそうに横たわったり座ったりしている。皆、僕の命令や指示が無くては勝手に行動出来ず、トイレへ行くにも許可が要る。その中で母さんが、「お風呂はどうしましょう?」と尋ねてきた。「ああ、忘れとった」そして女たちを見回してから、「じゃあ、利紗子と佐知、絹江が一緒に入れ」と命じた。三人は意外な顔になり、それぞれ見合った。「あの、本当にそれでいいんでしょうか?」利紗子が確かめるように尋ねたので、「何か文句でも?」と聞き返した。「いえ、そんな事はありません」すぐに利紗子は僕に向かって正座をし、「では三人で入らせて頂きます」と深々と頭を下げた。一方の絹江と佐知は困った風で、それを見て利紗子が、「二人共ご主人様にお礼を言いなさい」と言い付けた。「はい・・・」「わかりました」絹江と佐知は釈然としないままそれぞれ正座をし、「ありがとうございます・・・・」と小声で礼を言った。 三人が入浴しに階下へ下りて行くと、母さんが心配そうに、「本当にいいんですか?」と疑って聞いた。「かえって面白いじゃないか」「利紗子さんがどう出るかですね?」智子が言う。「まあな」利紗子は礼を言いながらも本心では困惑しているだろう。もしも僕を怒らせたらどんな目に遭うかわからない。かと言ってこんなチャンスは今後無いかもしれず、狭い浴室内で佐知、絹江と三人だけになって、つい抱き合ってしまうかもしれない。僕の目が届かないのを幸いに・・・。
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