そんな他愛も無い時間はインターフォンで終わり、母さんが部屋を出て玄関に向かった。いよいよだと僕は女たちの下着を袋に戻していく。「絹江、どうしたの?」玄関から利紗子の声が聞こえた。それは、絹江がスリップ姿の母さんを見て不審に思っての問いだろう。しかし母さんは僕との打ち合わせ通り気にせず、「さあ、上がって下さいな」と明るい調子で絹江を、用意してある階下の一室に入れようとする。利紗子も、「ちょっと変わってるけどいい宿なの」と敢えて屈託無く絹江に勧めた。それで絹江もどうやら靴を脱いで上がったらしく、三人が例の部屋に向かう足音が聞こえた。僕は性奴隷たちの下着コレクションを二階の押し入れにしまうと、肌着にパンツという恰好になってトイレへ行った。その間、芳美と智子が絹江の為にそれぞれお茶と和菓子を盆に載せて部屋へ持って行く手筈になっていた。 しかし、迎えの車内から様子を変に思っていた絹江は、智子に芳美という女二人も同じ透け透けスリップの恰好でいるのを見て更に怪しく感じたらしく、「ねえ、別な所にしましょう」と小声で利紗子に話した。それでも利紗子は、「たまにはこういう所もいいでしょ?」と意に介さず、「私、他にも用事があるのでちょっと失礼するわね。すぐ戻って来るから」そう言って部屋を出て行った。「利紗子さん!」絹江の呼び声も虚しく利紗子は家を出て車に向かった。
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