携帯電話から警察に電話をかけ、女性の警察官と話したい旨を伝えると、以外にもスムーズに希望は叶えられる。
友人が自宅で亡くなっている。
自ら命を絶った可能性がある。
直接の原因には無関係だが、悪辣な組織が根底に潜んでいる。
まずは友人に関する対応を、それとは別に私と話す時間を取って欲しい。
「分かりました。ただし条件があります。」
電話の向こう側で話す女性が先行して現地に入り、私と接触する。
私への影響を最小限に抑える為、要請に従って捜査への協力はして欲しい。
毅然とした物言いは、信用に足る相手であることを感じさせた。
物分かりの良い警察官もいるものだ。
或いは、そこまで譲歩する必要を感じさせる程、切迫していた私の心理状態が伝わったのかもしれなかった。
いずれにせよ、私は承知した旨を伝え、電話を切って待つ。
待っている間、私はヤヨイの横に寄り添うように座っていた。
二度と会うことは出来ないのだ。
せめて最後まで隣に居たかった。
こんこん、こんこん
ドアがノックされ、意識して抑えられた声が、先程の警察官であることを告げる。
ゆっくりと立ち上がった私は、警察官を迎える為、バスルームを出た。
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