その日以来、私達は露出行為を嗜むようになっていく。
互いに生理のタイミングを見計らい、スケジュールを組む。
屋外の時もあったが、屋内を選ぶ時もある。
様々なシチュエーションを経験したが、私達の間には暗黙の不文律があった。
実際の露出行為を他人の眼に晒す危険は避け、晒してしまう可能性を味わうことに重きを置く。
ヤヨイにとっては物足りない部分もあったろうが、同じ過ちを繰り返すまいとする彼女の決意と、私に対する配慮によるものであった。
露出行為であれば薬物を使わなくとも、辛うじて自慰により果てることが可能なヤヨイ。
露出行為に伴った自慰では果てることが出来ないが、底無しの快楽を長時間に渡り味わうことが出来る私。
確かに刺激的な愉しみではあったが、のめり込む程に真に魅了されることはなく、あくまでも私にとっては付き合いに過ぎない。
薄々は気づいていたのであろうか、ヤヨイの家で擬似的な性行為を行う際には、常に私の絶頂を優先してくれていた。
「ね、もしもの話なんだけど・・。」
ある日、そう前置きしたヤヨイは、私に奇妙な質問を投げかけてきた。
互いに存分に果てた後、二人で湯船に浸かっていた時のことである。
質問の内容は、再び輪姦被害に遭ったとしたらどうするか、という内容であった。
「絶対に嫌。考えたくもない。」
「・・そう・・。」
寂しげな、そして妙に虚ろな表情を浮かべ、ヤヨイは呟く。
「・・ずっと・・何度も何度も考えたの・・。」
「・・考え、た・・?」
「うん。耐えられないかなって・・。」
くしゃりと笑ったヤヨイの顔が、私の記憶の中で、今尚、鮮明に蘇る。
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