「・・人前で・・しかも街中で・・全裸でオナニーしながらイキまくる気持ちって・・分からないよね・・・。」
分からない。
想像をしてみることは出来る。
しかし、幾ら想像してみても、言葉に出来るようなものは思い浮かばなかった。
「・・分かりたく・・ない、よね・・。」
堰を切ったようにヤヨイの話は続く。
レイプ被害者としての噂も収まらぬうちに、日中の街中、しかも衆人環視の下、文字通り恥態を晒してしまったのだ。
噂、いや事実として流布していく内容について、何の申し立てが出来るものではない。
当然、学校に行くことなぞ出来るわけもなく、少女は家に閉じ籠る。
沈痛な面持ちをした両親は、悲嘆にくれ頭を抱えるばかりであった。
いくら尋ねても、時に手をあげられても少女は真相を語らない。
これ以上、両親を悲しませたくなかったし、この苦しさを理解することは不可能としか思えなかったのだ。
万策尽きた両親は、苦渋に満ちた選択をすることになる。
書類の上で離婚した両親は、少女の苗字を母方の姓に変え、隣県に一人暮らしをさせるとともに、転校の手続きを取った。
父親は勿論、母親も仕事があったし、身体の弱った祖父母の世話もある。
更に言えば、自慰に耽る娘の姿を眼にし、喘ぎを耳にすることに耐えられなかったのだ。
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