ある朝のことだった。
登校途中の少女は何者かに拉致されてしまう。
通学路に生じる一瞬の死角を利用して、背後から鼻と唇を薬品の匂いのする布で塞がれた少女は、何かが起こったことすら把握出来ないままに意識を失っていた。
次に意識を取り戻した時、朦朧としながら少女がブラインド越しに眼にしたのは、見覚えのある市内主要部の大通りと覚しき風景であった。
スーツに身を包んだ会社員、何かの納品の為に台車に載せた荷物を運んでいる作業員、様々な人々が往き交う何の変哲もないビジネス街の朝の風景に過ぎなかった。
ただ一点違うのは、僅かに透過性のある壁のようなもので、外界とは隔離された少女の存在である。
いつの間にか少女は一糸纏わぬ姿にされていた。
それだけではない。
拘束された身体は、まるで自由が効かず、露わになった部分を隠すことすら出来ない。
露わになった部分。
そもそも、少女は肘掛の無いソファのようなものに座らされていた。
いわゆるM字開脚の姿勢を強いられ、関節の限界まで開かれた股間は、その秘裂の谷底まで露出させ、谷底にある敏感な突起や未熟な生殖器すら露わにされている。
秘裂の上端より更に上の肌には、未だ翳りが生じてすらいない。
小さく窪んだ臍から首筋にかけての肌は、しっとりと艶めかしいと言う表現が似つかわしい。
乳房に至っては全くという程、膨らんではおらず、少女というより幼い少年に酷似したそれは、僅かに色素の濃いふたつの乳首だけが微かに性を示していた。
「ひっっ」
少女は咽喉が引き攣ったかのような悲鳴を漏らす。
背後に人の気配を感じたのだが、拘束されているが故に首を捻じることしか出来ない。
ゆっくりと視界に姿を現したのは知的な風貌だが、どこか荒んだ雰囲気をまとった中年の男であった。
男は左手に持ったチューブからクリームのようなものを大量に右手に注出すると、無造作に少女の股間に塗り始める。
んぐっ
少女の脳裏に吐き気を催すような一ヶ月前の悪夢が蘇る。
丹念に作業を進める男の手が止まり、作業の内容を変えた。
指を秘裂に割り込ませ、谷間に沿って塗り込めると、未だ蹂躙された記憶も生々しい少女が、最も怖れを感じる行為に及び始める。
「い、いや・・。やめて・・・。」
指の一本を女陰に埋ずめると、洞窟の壁に執拗なまでの丹念さで塗り込めていく。
少女の入り口から深奥部まで、下腹部の芯に沿って覚えのある感覚が蘇る。
一連の作業が終わったのか、男はグッタリとした少女から距離を置いて立つ。
からからから・・
男が何らかの操作をしたのだろうか、少女の眼の前、五十センチ程先にあるブラインドが巻き上げられていく。
かちり
更に何らかのスイッチが押される音とともに、接触の悪い照明が点滅した後、点灯した。
「嫌ァぁあァ・・・」
絶叫しながら少女が顔を背ける。
当然であった。
特殊な素材で作られているらしき隔壁は、照明が完全に点灯することにより、透明なガラス越しであるかのように外の景色を見渡すことが可能になっていた。
往き交う人、人、人、人・・・
よく観察すれば、人々が少女に視線をフォーカスさせることは皆無であり、素通しと思われた隔壁はマジックミラーのように一方向、つまり少女の側からのみの透過性に過ぎないのだが、パニックに陥った少女にそんな余裕はない。
抜けるように、という表現が似合う白い肌が朱を拭いたように羞恥に染まる。
「お願い・・見ないで・・嫌・・。」
傍に立った男は酷薄な表情を浮かべたまま、少女に問い掛ける。
「嫌なのか・・?」
「嫌、イヤぁ・・。」
「恥ずかしいのか・・?」
「恥ずかしい、許して、お願い・・。」
「じゃあこれは何だ・・?」
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