「よく言えたなって今でも思うもん・・。」
ころころと笑いながらヤヨイは語るが、その発言は的確にして辛辣、だが身も蓋も無い、しかも現実性に欠ける内容であったことは確かだ。
少女は自身が性被害にあった事実を認め、その被害により少女自身の心と身体が傷ついたことを告げる。
だが傷ついた心と身体を癒す為には、平穏と時間が必要である、と告げた。
端的に言えば、放っておいて欲しい。
失礼だとは思うが、その希望は担任である教師にも、いや、学校にも及ぶのだ、と。
「さすがに、言っちゃった・・的な。」
さもありなん。
少女の発言は物議を醸し、学内は、、特に教師陣は、、騒然となり、事実の確認を怠っていた責任を明確にしつつも回避し始める。
被害者である少女は勿論、その両親にまで追求は及ぶ。
通り一遍の事実確認と意思確認。
被害者である少女が、事件を秘匿しようとした心情は理解出来る。
被害者の両親が、娘を守ろうとして事件を秘匿しようとした事情及び心情、これも理解出来る。
だが、被害者たる少女及び、その保護者たる両親が学校組織、更には教師陣に対して情報の共有並びに事後の対応を円滑に進める為には、非協力的だったと判断されたのだ。
「遠回しに転校して欲しい、だって・・。」
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