私と同様、ヤヨイの躯に刷り込み効果を仕込む際、その手段は輪姦であったという。
「・・まだ十二歳だったの・・。」
中学一年生の初秋、三月生まれのヤヨイは十三歳の誕生日を待たずして処女を喪う。
私と五十歩百歩の手口で襲われ、傷つき、果てることの出来ない躯にされたのだ。
だがヤヨイの場合、それだけでは済まなかった。
決定的な証拠が公表されたわけではないが、性的な暴行被害に遭ったという噂が流れ始める。
被害に遭った直後の姿を、近隣の住民に見られてしまったのだ。
「あの格好、見られたら何も言えないかな・・。」
自嘲気味な笑いを漏らすと、ヤヨイは克明に当時の出来事を語り始めた。
耳を塞ぎたい想いを押し殺して、私は遠い眼をした少女を見つめることしか出来ない。
それは希望者のみが受験する模擬試験の帰りであったという。
夏のセーラー服に身を包んだ少女は、私と同様、自動車の中に押し込められ、制服を剥ぎ取られ、複数の男達に蹂躙された。
早生まれのヤヨイは晩稲であったのか、初潮を迎えたのも遅く、中学生になってからであった。
「胸なんかペッタンコだったんだよ・・。」
当然の如く、未成熟に過ぎる性器は男達の侵入に耐えられず、ヤヨイは膣の粘膜に裂傷を負い、大量の出血に至る。
辛うじてインナー代りのタンクトップだけが、肩の辺りに引っ掛かり、髪を乱した全裸同然の少女は、現場から少し離れた河原に捨てられた。
唇を切り、鼻血や何やらで顔を汚し、スラリと伸びた細い脚を広げて座り込むことしか出来ない。
「あそこの毛だってまだだったしね・・。」
無毛の下腹部から太腿の内側にかけて、白いを通り越して蒼白い程の肌は、紅の轍が幾条も疾り、今も尚、増え続けていく。
貫かれた桜色の花弁の芯から浸み出す真紅の鮮血。
初秋の抜けるように蒼い空の下、乾いた微風に全裸同然の身体を嬲られながら、茫然とした少女は泣くことすら忘れていた。
「誰かの声が聞こえたんだよね・・。」
我に返った少女はタンクトップの裾を直し、セーラー服を頭から被り袖を通す。
下腹部を覆う為の小さな布切れは見当たらず、仕方なく直接スカートだけに脚を通した。
釣り竿を手にした老人達が、ほぼ同時に少女の視野に姿を現わし、ギョッとしたような表情を浮かべながら立ち止まる。
「・・ビックリしたと思う。」
まるで他人事のようにヤヨイは話し続ける。
制服を身に付け終わっていたとはいえ、それは裸ではないということに過ぎなかった。
セーラー服の脇にあるファスナーは閉じられておらず、胸元のホックも外れたまま。
スカートのホックに至っては、今まさに留めている最中なのだ。
そもそも、河原に放り出された衣類はホコリにまみれ、皺が寄っている。
何か只ならぬ事が起きていたのは明白であった。
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