仕事の依頼は週に一度あるかないか、平均すれば月に三度程度であった。
連絡は全てメッセンジャーによる口頭により行われる。
私であればヤヨイが、ヤヨイであれば私が互いの通う学校近辺に出向き、依頼内容を伝えるのだ。
メッセンジャーは当日のアシスタントも務めることになる。
幾つか存在する『会場』を確認し、当日ともなれば早めに『会場』に出向き、備品の在庫を確認し、到着した客のアテンドを行う。
行為が始まれば、『会場』に密かに仕込まれた監視カメラを観ながら、危険な行為が無いように安全を確保すべく、見守り続ける。
「大丈夫。」
決してリスクは低くない見知らぬ男達との性行為を始める前には、見守る側が見守られる側に対して励ましの言葉をかけた。
「大丈夫?」
行為が終わってからも労いの言葉をかけ、監視カメラでは把握し切れないリスクの有無を確認し、相手の無事を喜ぶ。
それと知られぬよう、随所に仕込まれた監視カメラの向こう側にいるヤヨイの視線を感じる私は、安心して性を貪り、時には恥態を見られることの羞じらいによる更なる昂ぶりを得て、最高の悦楽を手に入れていた。
歳上であろうと踏んでいたヤヨイとは一歳違いだが、学年で言えば二学年の差があり、当時、中二であった私に対してヤヨイは高一であった。
私達が親しくなる迄に、さほど時間はかからず、まるで姉妹のように、時には同性愛者のような、そして淫らなプレイのパートナーとなっていく。
一人暮らしをしていたヤヨイの家に行き、他愛も無い話を続け、性行為について語り、時に互いの躯を貪る。
今現在も、今後についても、そして当時もだが、私は同性愛には、さほど興味を抱いてはいない。
私にとってヤヨイとの行為は、スキンシップの延長線上にあった。
仔犬が戯れるように互いの肌と肌を合わせ、その感触に慰撫を求める。
ついエスカレートしてしまい、激しい営みに発展してしまうことは往々にしてあったけれど。
「ねぇ、試してみたいことがあるの・・。」
ある日、悪戯っぽい笑みを浮かべたヤヨイが、奇妙な提案をしてきた。
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