意識が遠退いていたのも時間にしたら僅かなもの、恐らくは数分、ひょっとしたら一分程度だったのかもしれない。
ザラザラと固く肌触りの悪い床の上に身体が乱暴に投げ出され、ザワザワと耳障りな周囲の話し声が聞こえたことは憶えていたが、それだけだ。
頭が痛く、気分が悪い。
身体の自由が効かないのは、誰かに手足を抑えつけられている為らしい。
視野を奪われているのは、目隠しをされているからだろうか。
不意にジャージのズボンが乱暴に引き摺り下ろされ、下半身に外気を感じた瞬間、ようやく私自身が身の危険に晒されていることに気がついた。
「・・ぁ?え?なに・・・」
だが最後まで言葉を発する前に、布地が口に押し込まれる。
口を塞ぐ必要は無かった。
何故なら恐怖に身が竦んだ私には、抵抗するどころか、引き攣った咽喉から声を出す余裕すら無かったのだから。
周囲には三、四人、、恐らくは男性、、がいるらしく、分担して私の脚を抱えると左右に大きく広げ、剥き出しの下腹部に手を触れる。
その瞬間、恐怖という呪縛から、少なくとも身体を動かすことが出来る程度には開放された私は、無駄な抵抗を試みた。
偶然にも抱え込まれた片脚が、誰かの何処かに直撃したらしい。
無駄どころではない。
ささやかな抵抗が男達の逆鱗に触れてしまったのだ。
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