不意にヤヨイの舌が動きを止め、股間から距離を取る。
確かに不本意ではあったが、この状況で快感に狂い続けるのは、さすがに不用心だ。
絡み合うようにしていた上半身をベッドの上に起こした私達を観ている男。
それは先刻、出会ったばかりの謎の男であった。
いつの間にか部屋に入り込み、私達の睦み合う姿を観ていたということか。
パサッ
シャワーを浴びた後、着るように言われた薄物をヤヨイが私の股間に乗せてくれた。
慌てて男に背を向け、薄物に袖を通す私を余所に、男はヤヨイに語りかける。
「手を抜いたわけではないようだが・・。」
「・・そんな・・。」
やや鼻白んだかのようなヤヨイに向かい、冗談だと微笑んでから、男は私に向き直る。
私は、といえば薄物に袖こそ通したものの、前身頃を開かないようにする為の紐が結べなくて悪戦苦闘している最中であった。
見兼ねたヤヨイが黙って手を貸してくれたお陰で、何とか身繕いを済ませた私は、羞恥に身を縮めることしか出来ない。
対してヤヨイは全裸を晒したまま男に向かい、ポツポツと状況の説明を行っている。
明らかに薬の効果が認められること。
性感は充分過ぎる程、開発されていること。
刷り込み効果により、挿入以外の方法で絶頂を迎える可能性は極めて低く、挿入であれば可能かもしれないこと。
「ヤヨイもね、君と同じなんだよ・・。」
一瞬だけ悔しげな表情を浮かべたヤヨイをチラリと見ながら、男は話し続けた。
投薬による刷り込み効果により、絶頂を迎えることが出来ない身体になってから数年。
ようやく刷り込み効果を解除出来つつあるが、未だ完全ではなく、リハビリの最中である。
無表情のままに立っているヤヨイの瞳に時折、屈辱と憤怒の色が浮かんでは消えていく。
「・・リハビリ・・・?」
通常の身体機能、即ち、絶頂を迎えることが出来る身体に戻る為の訓練だという。
具体的に言えば、定期的な薬物投与を受けた状態で性行為をすることだと。
「・・観ていてごらん。」
ビクッ
ヤヨイの身体が怯えたように震え、身を硬くするが、男の合図を受けると、諦観に彩られた表情を浮かべつつも男の前に進み出る。
男の正面で膝立ちになったヤヨイは、男の腹の辺りに手を伸ばす。
カチャカチャ
ヤヨイは金属音をさせながらスラックスのベルトを外すと、下着と共に引き下ろし、男の下半身を露出させた。
ダラリとぶら下がった肉の棒に手を添えたヤヨイは、半開きにした唇から舌の先を覗かせる。
舌の先が肉棒に触れ、這い始めるや、眼の無い蛇がその鎌首をもたげていく。
二分も経たないうちに、ヤヨイの唾液に濡れてテラテラと光沢を放つ巨大な蛇が、男の股間から天を指していた。
贔屓めに観ても、ヤヨイや私の肘から拳程もありそうな赤黒い瘤を頭に持つ蛇。
「・・こっちだ。」
男に腕を取られたヤヨイは、ベッドの上に座り込んだ私の正面に連れて来られると、一メートル程の距離を置いてベッドに両手を突き、尻を男に向かって突き出した。
ヤヨイの背後に立った男は、腰を抱えるようにすると、突き出され露わになった少女の性器に凶々しい兇器の先端をに浅く沈める。
んくっ
ヤヨイが呻いた。
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