明美たちの騒ぎや脅しで僕は正直不安が強くなり、計画を急遽変える事にした。そしてようやく自宅に着いてその敷地内に車を停め、やがて母さんの車がその隣に停まると、敷地の隅に連れて行った。どうしたの?とばかりの顔になっていた母さんに向かい、小声で、「明美という女はやめた方がいいかもしれん」と打ち明けた。「ここまで来てですか?」「どうも、そいつの親父にはやくざが付いとるかもしれん」「・・・・」「だから茜が怖がったのかしらね・・・」「しかし、本人や他の連中にわからなけりゃいいんだから・・・」「どうするんですか?」「あいつらを薬で眠らせてしまおうかと・・・」「でも、目が覚めたらわかりますよ。犯された事」「・・・・」色々考えても上手い案は浮かばず、その間にも明美や利紗子などが出てきて又騒ぎ出したので、仕方無く家の中に入れる事にした。ちょうど芳美に智子、夢路の三人が姿を見せて利紗子や明美たちを明るく出迎えた。「ここのどこがレストランなのよお!」と明美が洗濯機を蹴った。他の仲間も何をするかわからないような権幕だ。 皆がそれぞれトイレで用を足した後、母さんが彼女らを二階に連れて行った。かつて智子と芳美にストリップダンスをさせた場所で、その記念の所で今度は自分たちが他の同性たちの地獄落ちの手伝いをする事に、これら熟女はどんな気持ちでいるだろう。広さ八畳程度の洋間には、白布に覆われた座卓が二つ並べて置かれているが、食器も何も無い。「まずは水を飲んで頂戴ね」母さんが庶民のおばさん丸出しで盆に水入りコップを運んできた。しかし、連れてこられた者は全員顔を顰めたりうなだれたりして部屋には沈痛な雰囲気が垂れ込めていた。「さあさあ、喉が渇いているでしょう?遠慮せずに飲んで」そう勧められても皆コップに口さえ付けずにいる。「もうすぐお料理を運んできますからね」「何がレストランよ。何が料理よ。笑わせるな!」明美がコップを掴んで壁に向かって思いきり投げ付けた。ガラスが粉々に割れ、水も床にこぼれた。利紗子も、「こんなに馬鹿にされたのは初めてよ。訴えてもいいんだからね」と葉子に怒声を向けた。「食べる気が無いなら食べなくてもいいよ。その代わり、今夜はひもじい思いをするよ」僕が階段を上がってきて言った。「せっかく美味い焼きそばを食べてもらおうと思ったのに、残念だなあ」「ふん、どうせインスタントでしょ」明美が言うと僕は、「その通り。しかし、これが美味いんだなあ」「完全に馬鹿にしてる」「即席物を馬鹿にしちゃあいかんよ。あんたも庶民の味を知った方がいい」
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