(8)
聞けば……。直美ちゃんが輪姦されたのは、俺が韓国女を懲らしめる一週間前。井上氏が倉庫を貸してくれたのも、それを考えれば頷ける。
「何て民族だ! 酷すぎる!」
「奴ら……。何をしに、日本に来ているんだ!」
そう言ったふたりの先輩。
「絶対……、許せねえ!」
続いて、俺もそう言ったが。その俺に、三人の視線が集まる。ま……、まさか。嘘だろう? 一瞬固まった俺に有無を言わさず、主任が井上氏に笑顔で話す。
「彼が、お孫さんの悔しさを晴らして差し上げます」
「済みません。お願いします」
深々と頭を下げた井上氏が、懐から札束を出してテーブルに置いた。一万円札を括る帯が切られていない。
「俺……、イヤです」
井上氏が去ったあと、縋る表情で訴えた俺。しかし……。主任は、俺に言い聞かせる。
「この不景気の中……。レイプというくだらないことのために、これだけのお金を用意したのよ。それだけ、井上さんは悔しいのよ」
ふたりの先輩も……。
「ここでやらなきゃ、男じゃないぞ」
「おまえだけに、辛い思いはさせないから」
そう言って、俺をそその……いや、励ます。
「じゃあ、決まりね」
主任のそのひと言で、括られてしまった。札束に手を伸ばしたが、主任がサッと取り上げてしまった。
「これは、私が預かるわ。報酬は、あとでちゃんとあげるから」
一番イヤな思いをするのは、俺なのに……。まあ。仕方ないか。
ふたりの先輩が、下調べをしてくれる。相手を知らなきゃ、懲らしめようが無いからな。
一週間後……。四人は、残業と称して会議室に集まった。獲物は、女のひとりキム・スミン。女は三人居るが、プライドが高そうなのでこの韓国女に決めた。
それと、もうひとり。リーダー格の男イ・ジフン。こいつだけは、絶対に許せねえ!
「あなたが用意して欲しい……と言ったものは、すべて揃えたわ。井上さんも、力を貸してくれたから。あとは、あなた次第よ。直美ちゃんの悔しさ……、連中に思い知らせてやりなさい」
「分かりました」
主任の言葉に、俺は真剣な表情で頷いた。決行は、翌日の午後。連中の行動パターンは、ちゃんと調べてある。
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