(7)
ある日……。主任とふたりの先輩それに俺の四人は、会議室にパソコンを持ち込んで仕事をしていた。プレゼンが迫っているのである。今は、詰めの段階に入っている。
そこへ、ドアがノックされた。
「はい」
仕事の手を止め、返事をしてドアに視線を向けた主任。
「失礼します」
受付係のOLが、そう断ってドアを開けた。そのOLに会釈をして入ってきたのは、作業服姿の老紳士。申し訳なさそうに、主任に頭を下げた。
「井上さん」
キョトンとした主任。老紳士は、井上鉄工所の社長である井上氏。主任とは飲み屋で会う仲で、俺も良く顔を合わせる。
「先日は、有難うございました」
「い……、いえ」
お礼を言った主任に、井上氏は首を横に振った。先のツインテールの韓国女の件で、倉庫を提供してくれたのが井上氏である。尚も、申し訳なさそうな表情で佇む井上氏。
「どうしたんですか? まあ、どうぞ」
椅子を勧めた主任の指示で、小休止となる。俺が、五人分のコーヒーを淹れ、テーブルに配った。
「何か、あったんですか? こんな時間に、訪ねて来るなんて」
「申し上げにくいんですが……」
「構いませんよ。訪ねてきた……ということは、それなりの理由があるんでしょうから」
躊躇する井上氏を、笑顔で促した主任。井上氏が、重い口を開く。
「実は……」
井上氏の話を聞いた俺たちは、驚きの声を上げた。
「えっ! 直美ちゃんが!」
直美ちゃんは、俺も知っている。井上氏の孫娘で、良く飲み屋に井上氏を迎えに来る。今年大学に入ったばかりで、かなりの美人だ。その直美ちゃんが、韓国人留学生に輪姦されてしまった……と言うのだ。
女を何人か居るグループで、警戒心を与えないために、最初は女の留学生が近付いてきた。文化の交流……とか言ったのだろう。最初は構内で軽い談話をしていたが、頃合いと見て飲みに誘ったらしい。それも、飲み屋でなく留学生のアパートに。
薬を盛られた飲み物を飲まされて、朦朧としているところを襲われたらしい。
身体が思うように動かせず、韓国強姦魔の好き放題にされた。韓国女たちは、助けを求める直美ちゃんを嘲笑っていた……と言う。ボロボロにされた直美ちゃんは、部屋に閉じ籠もり、男に対する恐怖心から外に出られない……とのこと。
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