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後部座席にいた先輩Aと俺は、目出し帽を被って手袋を嵌め、ワゴン車からとび出した。手に持っているのは、麻袋と数本のロープ。ツインテールに背後から駆け寄り、気付いて振り向く間も与えずに麻袋を被せる。ツインテールを路地に倒し、俺はロープで両腕と両脚を戒め、先輩Aは口だ……と思われる部分を手で押さえ付ける。
懸命に身体を捩って喚くツインテールを後部座席に運び込み、ワゴン車は走り出した。
十分後……。ワゴン車は、港の倉庫街に入った。ある倉庫の前に、ワゴン車を横付けした主任。助手席から降りた先輩Bがシャッターを開け、後部座席にいる先輩Aと俺がツインテールを倉庫内に運び込む。ここで、倉庫に残る先輩Aと俺は背広も下着も脱いで全裸になった。身に着けているのは、目出し帽と手袋だけ。
先輩Bが、ふたりに紳士服屋の紙袋を差し出した。中身は、新しい背広はもちろん、下着や靴下それに靴だ。すべて、主任がお金を出してくれた。脱いだ衣類は、ワゴン車に戻る先輩Bが途中で処分してくれる。
「じゃあ。待っているから……な」
そう言って、先輩Bはシャッターを下ろした。ワゴン車のドアの開閉する音に続いて、ワゴン車が走り去る音。倉庫の高い位置にある窓から、夕暮れの空が見える。
ツインテールは、縛られた身体を捩りながら、尚も何か喚いている。俺がツインテールに跨がって押さえ付け、先輩が紐を緩めて麻袋を引っ張る。ツインテールの顔が現れた。
何かを罵っているようだが、生憎と……いや、幸運なことに韓国語は分からない。分かりたくもないし、分かっても聞くつもりは無い。
「チャッチャと終わらせようぜ」
先輩の言葉に、俺はツインテールの頬に平手打ちを何度も見舞う。これが、香織ちゃんの痛みだ! 思い知れ!
邪魔なブレザーの前を退かせ、シャツの胸元を力任せに左右に引っ張る。ボタンが弾け飛び、ブラジャーが露になる。ツインテールが、相変わらず何かを罵っている。しかし……。無視して、ブラジャーを鷲掴みにする。
ブラジャーを毟り取ると、ツインテールは野獣の咆哮のような悲鳴を発した。両手で乳房を乱暴に揉みしだくと、ツインテールはイヤイヤをしながら何かを喚く。
「先輩。うるさいです」
「我慢しろ!」
「そんなぁ」
「俺だって、我慢しているんだ。それより……。裸にしようぜ」
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