(31)
何をするのか……と思い、眺めている俺。中東男と東南アジア男は、畳の上で四つん這いになり、丸いコースターを片手に持った。そのコースターで片目を隠し、眼帯代わりにする。もう、オチが分かった。空いている手で拳を作り、畳を叩く中東男と東南アジア男。
「立てぇ! 立つんだぁ!」
あっ! その先、言わなくていい。そのフレーズ、今の日本じゃ誰も使わないから。ふたりのお蔭で、俺の逸物は益々萎えた。
「どうするの? こんなになっちゃって」
「お開き……ということで、どうでしょうか?」
俺の逸物を構いながら言った主任、俺は笑顔で提案した。しかし……。先輩ふたりが、待ったを掛ける。
「おまえが韓国女を懲らしめないと、話にならないんだぞ!」
「韓国人粛清連合日本支部の一員として、恥ずかしくないのか!」
俺は、望んで一員になった訳じゃありません! ロアンが、頭を掻きながら口を開く。
「仕方ないわねぇ。スーパーサブを投入するしか、無いみたいね」
スーパーサブ! この流れを変えられる人物。それは……、マユちゃんだ! やった! マユちゃんのフェラなら、頑張れるぞ!
糠喜びする俺だが、ロアンが内線電話を掛ける。ん?
「もしもし。離れの間ですが。デリヘル嬢、ひとり呼んで下さい」
おい! こら! ちょっと待て!
「目の前に、居るじゃないか!」
俺の叫びを無視して、ロアンは話を続ける。
「あっ! いえ。指名は、特にありません。すぐ来てくれて、韓国人以外なら、病気持ちでも御の字です。はい。有難うございます」
電話を切ったロアンが、振り向いて俺に告げる。
「上客が良く利用するデリヘルがあります……って。そこに、電話を入れてくれるそうよ。良かったわね」
「良くない! ここに、マユちゃんが居るじゃないか!」
ロアンの言葉に、そう返した俺。しかし……。主任が、厳しく話す。
「彼女の稼ぎにしてあげたい気持ちは、分かるけど……ねぇ。マユちゃん、デリヘルのお仕事、今日はお休みなのよ。それに……。お店を通さないと、彼女の立場も悪くなるんじゃない?」
十分後……。
「お待たせしましたぁ」
そのデリヘル嬢が、お座敷に姿を見せた。
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